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レッドブル首脳のヘルムート・マルコは、今週末に再びレッドブルリンクで開催されるF1第9戦オーストリアGP(7月4日決勝)ではマックス・フェルスタッペンがさらにライバルのメルセデスを引き離す走りを見せる可能性もあると考えている。
●【F1第8戦シュタイアーマルクGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
先週末にレッドブルリンクで行われた第8戦シュタイアーマルクGPではレッドブル・ホンダのフェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンを達成し、このレースを2位で終えたF1タイトル争いのライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)との差を18ポイントに開くことに成功した。
今シーズン序盤はややメルセデス有利の展開となっていたが、ここへ来てフェルスタッペンが駆るレッドブル・ホンダF1マシンのパフォーマンスが明らかにメルセデスをしのいでいるのは間違いない。
これは、メルセデスはすでに全く新しい技術レギュレーションが導入される2022年シーズンに向けた新車開発に全力を注いでいるが、レッドブルでは2021年型マシンの改善を優先しているためだと考えられている。
「彼ら(メルセデス)は冬の間に頑張ったけれど、シーズンに入ってからは僕たちの方がうまくやったということかもしれないね。だけど、僕たちは今年に焦点を合わせているし、大きなチャンスがあることも分かっている」
母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙にそう語ったフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「僕は自分たちのアプローチを100パーセント支持するよ」
一方、メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは、2022年型F1マシン開発にシフトしてしまったことがレースにだんだん影響を及ぼし始めているのは確かだと次のように語っている。
「こういう日が来るだろうとは思っていたし、今それを迎えている」
「しかし、我々がいなくなったわけじゃない。両方の選手権を戦っているんだ。我々が夕日の中に消えようとしているわけではないことに誰もが驚いているよ」
「我々は2022年に100パーセント集中している。レッドブルは現在の開発に重きを置いているし、差が大きくなりつつある。だから、我々としてはこの弱点があることを分かった上で戦うんだ」
「しかし、レッドブルも9月まで新しいパーツを投入し続けることはできない。そうでなければ、来年は2秒遅れになってしまうだろうからね」
ヴォルフは、メルセデスとレッドブルのアプローチのどちらが最善のものだったかが明らかになるのは「数年後」のことだと主張している。
しかし、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ヴォルフが言うようにメルセデスが完全に2021年型マシンの開発をストップしているとは「信じがたい」と語り、次のように続けた。
「彼らはビジネスとして行っている。しかし、それは間違いなくバランスをとることだよ」
「もしそれが、我々全員がここでもう少し頑張らなければならないということであれば、我々にはその覚悟があるよ」
さらに、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるマルコは2008年のF1シーズンに言及しながら次のように語った。
「我々はBMWが2008年に犯したのと同じ失敗をしたくないんだ」
「(ロバート)クビサにはタイトルを獲得できる現実的なチャンスがあったにもかかわらず、そのときの(BMWの)ビジネスプランは早い段階で次のシーズンに切り替えることだった」
このまま2021年型マシンの開発を続けるという戦略を採るというのはリスクを伴うのではないかと質問されたマルコは微笑みを浮かべながら次のように答えている。
「リスクがなければ、面白くもないよ」
一方、今週末に行われるオーストリアGPでは、先週末レースよりも1段階ずつ軟らかいタイヤが使用されることになっている。このことに言及しながら、マルコは母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように展望を語っている。
「サーキットもマシンも同じだが、タイヤは軟らかいコンパウンドに変わることになる」
「それは我々にとってはさらに好都合だと私は思っているよ。さらに軟らかいタイヤを使えば、少なくとも同じようにレースを支配することができると思う」
「ハミルトンが(シュタイアーマルクGP決勝で)ピットインしたとき、我々は同じタイヤであと10周は走れると計算していたんだ。だから、我々はさらに強くなるだろうね」
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