【シンガポール=中野貴司】アジア太平洋経済協力会議（APEC）は25日、テレビ会議方式で貿易相会合を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でも、医薬品や食料など必需品の貿易を促進していくことで一致した。
25日の貿易相会合はテレビ会議方式で開かれた（APECのホームページより）
21カ国・地域の貿易相は会議後の共同声明で、世界経済を回復軌道に乗せるために「自由で開かれ、無差別的な貿易や投資環境の重要性」を強調した。重要な物資の自由な輸出入に加えて、国境を越えた人の往来の重要性を指摘し、新型コロナの感染防止策との両立を参加国・地域間で探るとした。コロナ下で不要な非関税障壁などが増えるのを防ぎ、陸海空の貿易網を維持する目的で別文書も採択し、今後連携を進める。
米中が参加するAPECは2018年の首脳宣言の採択断念に追い込まれるなど、近年機能の低下が目立っている。貿易相会合の議長を務めたマレーシアのアズミン・アリ貿易産業相は25日のテレビ記者会見で「米中の貿易摩擦の悪影響がサプライチェーン（供給網）などに及んでおり、APECはより深い経済統合を追求しなければならない」と訴えた。
年末に予定する首脳会議はテレビ会議形式を軸に調整を進めているとも明かした。
25日のテレビ会議には日本から梶山弘志経済産業相らが参加した。梶山氏は「経済危機の局面でも保護主義に偏るべきではない」と述べ、APECとして供給網の多様化を促進すべきだと訴えた。
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July 25, 2020 at 04:49PM
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APEC、医薬品などの貿易促進で協力 貿易相会合 - 日本経済新聞
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