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Wednesday, April 22, 2020

都の協力金受け付け開始 事業者「助かる」「足りない」 - 日本経済新聞

東京都の感染拡大防止協力金の申請受け付けが始まり、パソコンで申し込む社交ダンス教室の運営会社の社長(22日、東京都大田区)

東京都の感染拡大防止協力金の申請受け付けが始まり、パソコンで申し込む社交ダンス教室の運営会社の社長(22日、東京都大田区)

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休業や時短営業の要請に協力した事業者に対する東京都の協力金の申請受け付けが22日、始まった。資金繰りが逼迫する中小の事業者は多く、都は店舗数に応じて50万~100万円を5月7日から支給する。申請窓口には経営者らが列を作り、早速申し込んだ人からは「助かる」「これでは足りない」と様々な声が上がった。

都内29カ所の都税事務所・支所では申請受け付けが始まった午後3時すぎ、申込書類を受け取る人が列を作った。

台東区で貴金属販売を手掛ける男性(46)は多いときには月数百万円の売り上げがあったが、2月以降はゼロ。「ストックしていた貴金属類もある程度換金し、運転資金に回した。一刻の猶予もない」とこぼす。新宿区の居酒屋経営の男性(42)は窓口が閉まる午後5時直前に書類を提出。家賃などの支出は月120万円を超え、「早めに提出したら、早くお金が手元に来るのではと思ったので」と話した。

武蔵野市で飲食店を営む佐藤孝一さん(67)は提出書類の一部は税理士など専門家に確認してもらう必要があると知り、22日の申請を諦めた。緊急事態宣言後、都の要請に応じて午後8時に店を閉め、夜の売り上げは約9割減った。「できるだけ早く協力金をもらいたいが、仕方ない」と受け止めた。

協力金の申請は窓口や郵送での書類提出のほか、パソコンを使ったオンライン申請も受け付けている。大田区で社交ダンス教室を経営する藤井洋介さん(38)は早速、同日午後にオンライン申請した。顧問契約する中小企業診断士と何度も連絡を取り合いながら、休業を証明する写真などを添付し、提出にかかった時間は約2時間。「思ったより時間がかかった」と漏らした。

同教室の生徒は約50人。感染拡大を受けて3月からグループレッスンを取りやめ、マスク着用で個人レッスンのみ続けていたが、緊急事態宣言後の8日から全面休業した。テナント料やスタッフの人件費など、月の固定費は約100万円に上る。雇用調整助成金制度の活用や銀行融資などで半年後までの運転資金のめどは立ったが「休業後、手元のキャッシュが重要だと痛感した。協力金はありがたい」と話した。

八王子市の自宅でピアノ教室を開く女性講師(46)は3月下旬以降、7人いる生徒からレッスンのキャンセルが相次ぎ、緊急事態宣言が出た7日から休業した。4月分の月謝は生徒に返金し、収入は約20万円減った。当初は協力金の対象外だと思っていたが、最近、SNS(交流サイト)の投稿などを見て自分が受給対象だと知ったといい、「50万円でももらえれば助かる」と歓迎した。

一方で、支給額に不満を漏らす事業者も。都の協力金は1店舗なら50万円、2店舗以上なら100万円が支給される。

世田谷区でライブハウスを経営する男性は「50万円の協力金をもらえても、1カ月分の家賃にもならない」と話す。休業前は毎日のようにライブがあり、月平均200万~300万円の売り上げがあったものの、休業した2月中旬以降はゼロになった。

複数の金融機関に融資を依頼したが、もともと借金があったことから断られた。自身の住宅ローンの返済猶予などの手続きもあり、協力金申請の書類の準備すらままならない。緊急事態宣言が解除された後も「営業再開できるのか見通しが立たない」と嘆いていた。

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