カワウソが好きだ。もうさんざん書いてきたので我ながらいい加減しつこいと思うが、好きなものは仕方ない。(朴順梨)
そんなカワウソ好きの私の頭から、ずっと離れないものがある。それは野田サトルのマンガ『ゴールデンカムイ』(集英社)の、とあるエピソードだ。
時代は明治末期。強く美しく利発なアイヌの少女・アシリパさんと、203高地の戦いを生き抜いた、元兵士の杉元。2人は金塊を求めて北海道や樺太を渡り歩く。その間、敵と味方が入り乱れて……というストーリーなのだが、この2人、とにかく食べまくる。彼女らが魚や森の動物、野草などで作るアイヌ料理を見ていると、冒険活劇なのかグルメマンガなのかわからなくなる。が、自然とともに生きるアイヌの人たちの、豊かな食を知ることができる貴重な作品なのだ。
ある時カワウソを捕まえたアシリパさんは、「頭の後ろの骨が薄いので、ここを割って脳みそをほじくり出して食べる」「塩をかけて食うとうまいんだ」と語る。さらにカワウソの頭を丸ごと煮込んだ料理は、非常に美味とされ頻繁に食べられていたことにも触れている。
この描写だけではわからない「非常に美味なカワウソ味」が、どんな味なのか気になって気になって仕方がなかったのだ。
君のカワウソを食べたい。しかし二ホンカワウソはすでに絶滅したとされているし、ワシントン条約にリスト入りしているコツメやユーラシアを食べようとはこれっぽっちも思わない。さっきは食べたいと書いたが、実は今は食べたくはない。ただ、知りたいのだ。
北海道のカワウソは1950年代に絶滅
北海道に行けば何かわかるかもしれない。そこで全くの無計画ながら、北海道に行くことにした。
最初に目指したのは、札幌駅にほど近い北海道大学植物園だ。施設の中に北方民族資料館があるため、手がかりが見つかるのではないかと思ったからだ。そして博物館本館も、ぜひ訪れたいと思っていた。
この博物館本館には、北海道に現存するものから、エゾオオカミやニホンカワウソなど絶滅してしまった動物の剥製が展示されている。そして『ゴールデンカムイ』の読者ならピンとくるはずだが、狂気に満ちた剥製職人・江渡貝弥作の住まいのモデルでもある。カワウソ調査とロケ地巡礼が同時に叶うのだから、行かない選択肢はない。
札幌駅から北海道大学植物園までは、10分も歩けば到着する。ホームページによると広さは13.3ヘクタールあるようだが、北方民族資料館はエントランスのすぐ横にあるので、すぐに見つかった。
北方民族資料館にはアイヌを中心に、北方民族がまとった衣装や狩猟用具、楽器などが展示されていた。コンパクトながらも見ごたえは十分にあり、とくにクマ送り(イオマンテ)の記録映像には、目が釘付けになってしまった。しかしながらカワウソに関する展示はなかった。残念。
次に向かった博物館本館ではテンやイイズナ、オコジョなど他のイタチ科の動物とは別の場所にカワウソの剥製がうやうやしく展示されていた。韓国編で登場したインググやナヨンたちと、同じぐらいの大きさだろうか。
案内パネルには「ユーラシアに広く分布し、北海道に生息していたものと本州以南に生息していたものは別の亜種とされている」とあった。さらに「北海道では1950年代に絶滅し、本州でも近年絶滅したものとみなされているため、その関係については明らかになっていない」とも書かれていた。どちらも同じニホンカワウソだけど、それぞれ亜種なのか。
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