岸田文雄首相(自民党総裁)は31日、官邸で公明党の山口那津男代表と会談した。次期衆院選の候補者調整を巡り、東京都内で解消する予定だった選挙協力を復活させることで大筋合意した。会談後、山口氏が記者団に明らかにした。9月初旬にも両党間で正式な合意文書を締結する。
衆院解散・総選挙に備え、地域レベルの対立を収束し、自公連携を全国的に強化する狙いがある。
会談では、公明が東京29区(荒川区、足立区西部)で擁立を決めた公認候補を自民が推薦する方針を確認。その他の都内の小選挙区は両党間で調整した上で、公明が自民の公認候補を順次推薦するとした。
次々回の衆院選の際、東京29区とは別の1選挙区で公明が公認候補を擁立できるよう検討していく方針も確認した。
山口氏は「(自公の)協力を最大限に行える体制を整え、議席も最多になるよう、お互いに協力をし合う大局観で考えていく必要がある」と意義を強調した。一方、東京29区以外の都内選挙区の自民の公認候補については「状況が整えば推薦することになる」と述べた。
自民の下村博文元政調会長(東京11区)は「同じ与党であれば連携するという、あるべき形に進んでいる」と、記者団に期待感を示した。都内の選挙区選出の衆院議員も「(協力解消は)心配はしていなかった。両党は固い信頼関係で結ばれている」と強調した。
衆院小選挙区定数の「10増10減」によって、東京は定数が25から30に増える。このうち、公明は新設される東京28区(練馬区東部)への候補者擁立も希望したが、自民が拒否。公明は「東京における信頼関係は地に落ちた」(石井啓一幹事長)として5月下旬、次期衆院選の都内小選挙区で自民の公認候補を推薦しないことを決めていた。(中根政人)
◆公明、立川市長選は自主投票「変更ない」
公明党の山口那津男代表は31日、東京都立川市長選(9月3日投開票)で自主投票とした党の対応について「変更はない」と述べた。官邸で記者団の取材に答えた。自民、公明両党は次期衆院選を巡り、都内の選挙協力を復活させることで大筋合意したが、終盤を迎えた立川市長選では、自民の推薦候補に対する公式な支援を見送る。
立川市長選は、公明が5月、自民に東京の衆院小選挙区での協力解消を伝えてから初めて都内で行われる首長選。前回市長選は自公が現職を推薦し、野党系候補に僅差で勝った。
今回も自民内には公明の支援への期待があったが、都内での自公両党の関係悪化を背景に、公明は8月24日、自主投票を発表した。公明関係者は「自公関係が回復に向かっているとはいえ、前回のように一枚岩で戦えるかは分からない」と指摘した。
国会では与党に協力的な立ち位置を取ることもある日本維新の会も、市長選の対応は自主投票とした。維新幹部は「複数の陣営から支援を求める動きがあったが、他党の色が強いことや改革の姿勢などで決め手に欠けた」と語った。(大野暢子)
関連キーワード
おすすめ情報
からの記事と詳細 ( 自公、東京での選挙協力やっぱり「復活」 次期衆院選は相互に推薦 立川市長選は公明「自主投票」のまま:東京新聞 ... - 東京新聞 )
https://ift.tt/EkLDqrV
No comments:
Post a Comment