【ワシントン=重田俊介】訪米中の菅義偉首相は16日午後(日本時間17日未明)、ホワイトハウスでバイデン米大統領と初めて会談した。バイデン氏は「私たちはインド太平洋地域で重要な2つの民主主義国家で、日米協力は重要だ」と語った。首相は「会談を通じて日米の強固な絆を確認したい」と呼びかけた。
バイデン氏が就任後に対面式で外国首脳と会うのは首相が初めて。首相は会談で「初の外国首脳の訪問として受け入れてくれて心から感謝したい」と伝えた。「同盟の重要性はかつてなく高まっている」としたうえで「自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力、地域の様々な課題、新型コロナウイルス、気候変動など国際社会に共通する課題に対応するため、じっくり議論したい」と語った。
首相は中西部インディアナ州で15日におきた銃乱射事件の死者に哀悼の意を伝えた。
会談はまず通訳だけを交えて約20分話し合い、少人数会合、拡大会合に移った。拡大会合にはそれぞれ7人ずつが出席した。米国からブリンケン国務長官、オースティン国防長官、イエレン財務長官ら、日本側は坂井学官房副長官、阿達雅志首相補佐官、北村滋国家安全保障局長らが同席している。
日米首脳会談に先立ち、菅首相はハリス副大統領と会談した。
「台湾の安定重視」共同声明に明記へ 日米首脳会談
【ワシントン=重田俊介】菅義偉首相は16日午後(日本時間17日未明)、ホワイトハウスでバイデン米大統領との初の首脳会談に臨む。中国の覇権主義的な動きに対抗し、「台湾海峡」の安定を重視する方針を共同声明に記す。気候変動を巡り2030年の温暖化ガス削減目標を協議する。
「台湾海峡」を日米首脳会談の文書で明示するのは1972年の日中国交正常化以降、初めてになる。外務省によると戦後は69年に佐藤栄作首相とニクソン大統領が共同声明で指摘した1回のみ。台湾地域の平和と安全の維持が日本の安全に重要だと言及した。
今回の首脳会談は複数の両政府高官を含む拡大会合に加え、通訳のみを入れた1対1の形式も想定する。初の対面会談で両首脳の信頼関係の構築をめざす。会談後に共同記者会見を開き、声明を公表する。
16日判明した共同声明案は「新たな時代のための同盟」と題した。最大のテーマが中国への対処になる。中国は台湾周辺の海域で軍事的な圧力を強めており、緊張が高まる。台湾への認識を首脳間で擦り合わせ有事の懸念に備える。
米政府高官は15日、共同声明で台湾海峡に言及すると明かした。「台湾海峡の平和と安定や現状維持に関し、公式な文書や協議で目にすることになる」と語った。
中国が海警局を準軍事組織に位置づけ、外国船舶に武器使用を認める「海警法」に深刻な懸念を表明する。沖縄県尖閣諸島への日米安全保障条約5条の適用も声明に明記する。
尖閣の接続水域に中国海警局の船が航行し、領海への侵入を繰り返す。自由で開かれたインド太平洋地域の協力を確認し、対中抑止力を高める。
米が問題視する中国の新疆ウイグル自治区の人権状況を巡り両首脳は懸念を共有する見通しだ。
共同声明と別に経済や気候変動に関する文書もまとめる。中国を念頭に特定国にサプライチェーン(供給網)を依存しないよう分散を進める。インド太平洋地域のインフラ投資や新型コロナウイルスでも協力する。
バイデン氏が重要政策に掲げる気候変動でパートナーシップを結ぶ。日米は既に 50年に温暖化ガスを実質排出ゼロにする目標を掲げる。
首相は30年の削減割合について22日に米が主催する「気候変動サミット」までに新目標を公表する方向で検討する。
水素の活用や二酸化炭素(CO2)を回収して地中に埋めたり再利用したりする技術(CCUS)で協力する。途上国支援に共同で取り組む。
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