柔道の12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪2大会連続銅メダリストで、11、13、14年の世界選手権を3連覇した海老沼匡(31=パーク24)が15日、東京都内で会見を開き、現役引退を発表した。今後はパーク24でコーチに就任する予定。
栃木県小山市出身の海老沼は、地元の道場で5歳から柔道を始め、中学からは柔道私塾「講道学舎」に入門。東京・世田谷学園高、明大を経て、12年4月に実業団強豪のパーク24入りした。16年リオ五輪までは66キロ級を主戦場に、五輪で2大会連続銅メダル、世界選手権では3連覇を達成。17年に階級を73キロ級に上げて東京五輪を目指したが、講道学舎の後輩でもある大野将平(旭化成)らとの争いに敗れ、3大会連続での五輪切符を逃していた。
会見で海老沼は「(昨年11月の)講道館杯で負けた(2位)ことにより、世界選手権や国際大会に派遣されて戦うことは難しいと感じた」と説明。実際に今年4月の全日本選抜体重別選手権では73キロ級で初制覇を果たしたが、6月の世界選手権(ブダペスト)代表入りを逃していた。
代名詞の切れ味鋭い背負い投げを武器に世界王者になっただけでなく、誰からも愛され、尊敬される柔道家だった。自身の柔道人生を振り返り、「五輪で金メダルが獲れなかったので悔いというか反省点があるが、全力を尽くして、全てを柔道にささげてきた。全体を通しては悔いはない」と晴れやかな表情で涙はなし。指導者として「プラスワンというか、やはり試合に出るのは選手。そこでもう一押しをできる指導者になりたい」と語った。
04/15 12:05
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