新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、営業時間短縮要請に応じた大阪の飲食店への協力金をめぐり、店側から「支給のスピードが遅い」といった不満が相次いでいる。年度末を控え、早期支給を望む声は切実だが、昨年12月の大阪市全域への時短要請に応じた店に対する協力金(1日4万円)が支給されたか支給が決まったのはまだ約3割。緊急事態宣言下での時短要請への協力金(同6万円)の申請受け付けも始まっているが、市によると書類の不備なども目立つといい、「慎重な審査」が遅れにつながっているようだ。
「行政もチェックが大変だろうが、こちらはひたすら入金を待つだけ。振り込みのめどだけでも示してほしい」。大阪府内で複数の中国料理店を展開する会社の担当者は漏らす。
大阪での時短要請は昨年11月、繁華街を抱える大阪市北、中央両区から始まった。同社も要請に従い、12月下旬に1店舗分の協力金を申請。その後、要請が市内全域に拡大したため、今年1月中旬に追加で2店舗分を申請した。
インターネットで審査の進捗(しんちょく)状況を確認しているが、表示されるのは《確認中》。支給決定の通知は届かないという。
飲食店の開業や経営支援を行う行政書士の中村清志さんも、支給の遅さに苦言を呈する。市内全域を対象とした昨年12月の時短要請協力金に関し、店側の依頼を受けて約10件の申請を行ったが、支給済みはまだゼロ。中村さんは「支給のスピードの遅れは店の廃業にもつながる」と懸念する。
すでに協力金の一部を受け取ったというミナミの居酒屋は、協力金を光熱費や人件費の足しにしているという。ただ、女性店長(65)は「協力金をもらってギリギリやっていけている状況。追加分を早く支給してほしい」と求めた。
協力金の申請方法は、ネットか郵送。店名や代表者名といった基本情報に加え、時短営業の様子や府発行の「感染防止宣言ステッカー」を掲示した写真などの提出が必要だ。市の担当者は「ネット申請の操作方法や質問にこたえるコールセンターも設置している。活用してもらいたい」とするが、中村さんは「個人で商売する高齢者にとっては、この手続きは難しいのでは」と話した。
大阪市によると、市内全域が対象となった昨年12月の時短要請に対する協力金には、今年2月末の締め切り時点で約2万9500件の申請があった。だが、支給済みか支給が決まったのはまだ約3割。提出書類に不備があったり、申請した店舗がそもそも対象外だったり。中には架空の店舗による申請や、二重申請といった悪質なケースもあるといい、慎重に審査を重ねているという。
支給遅れについて松井一郎市長は、「性善説に基づいて支給したいが、税金からの支出であり、確認と審査が必要になるので、時間がかかることを理解してもらいたい」とする。
大阪市内では、緊急事態宣言が解除された今も午後9時までの時短要請が続いている。市の担当者は「店側の支払いが重なる年度末なので、一日でも早く手元に届けたい」と話した。
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