韓国を訪問中の岸田文雄首相は7日午後、尹錫悦大統領とソウルの大統領府で会談し、半導体を含む経済や安全保障分野での協力強化で一致した。終了後の共同記者会見で両氏が明らかにした。
日本の首相が2国間会談のため、韓国を訪れるのは2011年以来。両氏の会談は3月の東京に続き今年2回目で、互いの国を頻繁に訪問する「シャトル外交」を本格的に再開させた形だ。
共同会見で岸田首相は、「日韓の対話と協力は2カ月足らずの間にダイナミックに動き出した」と指摘。今回の会談で「日韓関係改善の動きが軌道にのったことを確認した」とも述べ、尹氏が再来日する19日からの主要7カ国(G7)首脳会議(広島サミット)などの機会を通じてさらなる関係強化を進める考えを示した。
尹大統領は、日本とのシャトル外交の再開を歓迎すると発言。核ミサイル開発を進める北朝鮮の問題を巡る日米韓の協力は重要だとも語った。
日韓首脳がシャトル外交再開で一致、適切な時期に訪韓-岸田首相
3月に尹政権が発表した韓国政府傘下の財団を通じて元徴用工に弁済する解決策を日本側が評価。尹大統領の訪日を経て、日本側が韓国に対する半導体材料の3品目を対象とした輸出規制の厳格化措置を緩和した。懸案が相次いで解決に向かう中、2日には約7年ぶりの財務相会談も行った。
歴史認識
岸田首相は会見で歴史認識に関し、歴代内閣の立場を引き継ぐ立場は「今後も揺るぎはない」と明言。その上で、自身の思いとして「厳しい環境の下で多数の方々が大変苦しい、そして悲しい思いをされたことに心が痛む」と述べた。
尹大統領は、徴用工問題を解決するための韓国の方針は不変だと語った。首脳会談では「過去の歴史が完全に整理されなければ、将来の協力に一歩も踏み出せないという認識から脱却すべきだと思う」と発言した。
他の発言
岸田首相
- 日中韓プロセスで議長国である韓国の取り組みを支持
- 福島第一原発の処理水放出、韓国で懸念の声あること認識
- 理解を深めてもらうため今月、福島原発に専門家の現地視察団を受け入れ
- 日韓両国民の健康や海洋環境に悪影響を与える形での処理水放出を認めることはない
尹大統領
- 拡大抑止強化の「ワシントン宣言」への日本の参加を排除せず
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(日韓首脳の共同記者会見を踏まえ、更新しました)
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