日本とフィリピンが、中国の台頭を念頭に防衛協力を強化している。両国は昨年4月、初めての外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を開催し、自衛隊と軍のトップ同士が防衛協力の方向性を話し合う定期的な懇談も始まった。東・南シナ海への中国の海洋進出や台湾情勢の緊迫化を背景に、今後も連携は進展するとみられる。
自衛隊と米軍、フィリピン軍の陸上部隊の防衛協力を図る「日米比陸軍種ハイレベル懇談」が先月11日、朝霞駐屯地(東京都練馬区など)で初めて開かれた。
「力による一方的な現状変更を認めず、国際秩序を維持する起爆剤になる」
陸上自衛隊トップの吉田圭秀陸上幕僚長は記者会見でこう力を込めた。懇談では、今後も連携強化を図るとともに同様の懇談を毎年開くことで一致した。
日比両国には、島嶼(とうしょ)部から領土が構成され米国と同盟関係にあるなどの「戦略的な共通点」(吉田氏)がある。中国の軍事的動向をにらみ、両国の防衛協力強化の動きは最近大きく進展している。
日比2プラス2では、防衛協力を強化する方針を盛り込んだ共同声明を発表した。東・南シナ海情勢に「深刻な懸念」を表明するとともに、「緊張を高める行為に強く反対する」との姿勢も打ち出した。
昨年12月には、航空自衛隊がフィリピン北部ルソン島のクラーク空軍基地にF15戦闘機2機を派遣した。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国に対する日本からの戦闘機派遣は戦後初めてだった。
このほか、同年10月に行われた米比両軍の海兵隊による共同演習「カマンダグ」には、陸自と韓国の海兵隊がオブザーバーとして参加。日本からフィリピンへの国産防空レーダーの輸出計画も進んでいる。
中国は南西諸島から台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」を越えて活動を活発化させており、周辺国との連携は喫緊の課題といえる。今後は、自衛隊とフィリピン軍の相互往来を容易にする「円滑化協定(RAA)」締結に向けた議論も本格化しそうだ。(松本学)
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