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Tuesday, June 14, 2022

「最高の子育て環境」に協力を 備前のNPOがプレーパーク拡張:山陽新聞デジタル|さんデジ - 山陽新聞デジタル

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プレーパークとして整備中の広場。後ろの山に2009年開設の「森の冒険ひみつ基地」がある=4日

プレーパークとして整備中の広場。後ろの山に2009年開設の「森の冒険ひみつ基地」がある=4日

里山の「森の冒険ひみつ基地」で子育て支援事業について語り合う北口代表理事(右から2人目)ら

里山の「森の冒険ひみつ基地」で子育て支援事業について語り合う北口代表理事(右から2人目)ら

 自然の中で子どもたちが伸び伸びと遊び、育つ場を―と、備前市内の里山を拠点に子育て支援活動を展開しているNPO法人・備前プレーパークの会(同市久々井)は、新たなプロジェクトに乗り出した。

 「森の冒険ひみつ基地再建計画」と銘打ったプレーパーク(遊び場)の拡張整備だ。耕作放棄地だった広場を活用する。2009年に開設した里山の拠点と同様に、遊具や休憩スペースなどを手作りしていく。草木を育て、緑あふれる“オアシス”とし、動物とも触れ合える環境を整える考えだ。

 目指しているのは「最高の子育て環境」。実現に向け、同NPOは協力を呼び掛けている。

 ◇

 海を望む小高い丘に親子連れが集う。NPO法人・備前プレーパークの会の広場。子どもたちは土の上で思い思いに遊び、歓声を上げる。この日は特別企画として和気町の牧場・ハッピーホースファームからポニーがやって来て、乗馬も楽しんだ。

 広場(約1100平方メートル)は、同NPOが昨年から整備している新たなプレーパークだ。すぐ裏手の山林には“初代拠点”の「森の冒険ひみつ基地」がある。

 同NPOのプレーパーク事業は2005年、北口ひろみ代表理事(56)が子育て中の母親グループで始めた活動が原点。当初は公民館や公園など会場を転々としていたが、地元の協力者が、所有する山林を無償提供してくれたことが転機になった。

 地域住民や保護者、中学生らも参加して山林を開墾し、滑り台やブランコ、ハンモックといった遊具を手作りした。09年5月にオープンし、外遊びの機会が少なくなっている現代っ子に、野山で伸び伸びと過ごせる居場所を提供してきた。

 草木や落ち葉、土、水、廃材…。子どもたちは、あるものすべてを“遊具”とし、自由に遊び方を創造する。その体験を通し「体力、豊かな感性、社会性、好奇心、危機管理能力など『人生の基礎力』が育まれる」と北口代表理事は言う。理念に共感した親子連れらが備前市内外から訪れ、新型コロナウイルスの影響下でも年間8千人以上が利用。活動が呼び水となり、同市に移住してきた子育て世帯もある。

 「自然の中で子どもがやりたいことをかなえられる場所が身近にあるのは、子育てする上で大きい」と2歳の長男を遊ばせていた作業療法士の男性(31)=同市=は話す。

 開設から13年。里山のプレーパークは、多くの人に必要とされる場となったが、自然を活用しているだけに、水害などで使用できなくなる可能性もある。今回の拡張計画は、そうしたリスクも念頭に「持続可能な子育て支援」を目指した取り組みでもある。

 同NPOは、個人や企業に資金面での協力を呼び掛けるとともに、遊具作りや整備に力を貸してくれる仲間を募っている。協力の輪を広げることで北口代表理事は「子どもを中心にみんながつながり合える子育てコミュニティーを築きたい」と考えている。

 山陽新聞社は、地域の方々と連携して課題解決や魅力の創出を図る「吉備の環(わ)アクション」として、プレーパークに関する動きを報道。子どもを育む地域社会の在り方を探っていく。

メモ
 備前プレーパークの会は子育て相談や地域の多世代交流、保育事業といった活動も展開。今春には小規模保育所「どんぐりえん」を開園した。プレーパークは毎週月~土曜。利用は無料。問い合わせは同NPO(0869―63―3332)。

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