インド科学技術省は5月3日、同国のジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相が、ベルリンでドイツのベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー(Bettina Stark-Watzinger)教育・研究相と会談し、2国間で進行中の科学技術協力に満足の意を表明したと発表した。
双方は、「人工知能(AI)スタートアップ、AI研究、サステナビリティとヘルスケアへの応用に焦点を当てた協力に合意した」といい、2国間関係の戦略的柱の1つである科学技術協力の進展に満足の意を示した。両国の学術・研究機関や産業界は強い絆で結ばれており、この戦略的な研究開発パートナーシップをつなぐ役割を担っているという。
(提供:PIB)
ジテンドラ・シン氏はベルリン公式訪問の3日目に、電気自動車(EV)、サイバー物理システム、量子技術、将来の製造技術、グリーン水素燃料、深海研究などのフロンティア分野での両国の取り組みに触れ、これらの分野で共同協力を展開することをドイツ側に提案した。両国はすでに、サステナビリティやヘルスケアにおけるAI活用などの分野における互いの強みを把握するための調査を始めている。
両国の連携もすでに始まっている。両相は、最近締結されたインド科学技術庁(DST)とドイツ研究財団(DFG)の国際研究トレーニンググループ(IRTG)プログラム支援のための了解覚書(MoU)に満足感を示した。このプログラムでは両国の研究グループを対象に、研究提案の募集が開始されている。
また、若手研究者の交流を通じて、両国の科学技術協力の包括的エコシステムを作り出すPaired Early Career Fellowshipsも存在する。産業フェローシップは、ドイツの産業エコシステムにおいて、インドの若手研究者が産業界に触れることを目的としている。
ジテンドラ・シン氏は、「ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相率いるインド政府は、イノベーションを非常に重視しています。現政権は、イノベーションのバリューチェーン、起業家精神、知的財産の創出を促進することに重点を置いており、インドのイノベーションシステムは、手頃な価格とアクセス性を重視し、プロセス駆動型ではなく、目的駆動型です」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
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