(写真 : (写真左から)杏、坂口健太郎 (C)フジテレビ)
◆坂口健太郎&杏、月9ドラマ「競争の番人」でW主演
今作の舞台は、今までドラマとして描かれることがなかった「公正取引委員会」(以下、公取委)。原作は、4月から放送がスタートした月9ドラマ『元彼の遺言状』(宝島社)の原作者であり、第19回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞した新進気鋭の作家・新川帆立が、『小説現代』(講談社)で連載し、5月9日に発売された最新刊『競争の番人』(講談社)。同じ原作者の作品を2クール連続で放送するというのはフジテレビ史上過去にない異例のケースとなる。
そんな今作は、坂口演じる天才で理屈っぽくひねくれ者の小勝負勉(こしょうぶ・つとむ)と、杏が演じる実直で感情のままに行動する元刑事の白熊楓(しろくま・かえで)が、公取委・第六審査、通称“ダイロク”の職員として、独占禁止法に関わる違反行為を取り締まり、経済活動における自由で公正な競争の場を守るために目を光らせる「競争の番人」として、談合やカルテルなど不正を働く企業の隠された事実をあぶり出していく。
誰もが一度は聞いた事があるがその実態についてはあまり知られていない行政機関・公取委を舞台とした“凸凹バディのエンタメ・ミステリー”となる今作は、実際に公取委で撮影を行うなど、公取委全面協力の元、リアリティーあふれる作品に仕上がっている。
◆“凸凹バディ”坂口健太郎&杏、公正取引委員会を舞台に不正の数々を暴く
競争激しい現代では、不正な手段で利益を生もうと画策する企業も。そんな行為を見破り、弱きを助け、強きをくじくフェアな市場を提供する公取委は、まさに、「競争の番人」とも呼べる存在。企業への立ち入り検査などを行う権利がある一方、警察の捜査令状のような強制的な権力や逮捕権は持っておらず、他の官庁からも見下されており、「弱小官庁」とやゆされることも?小勝負と白熊が所属する“ダイロク”の面々も自ら公取委のことを「弱小官庁」と卑下している。
そんな公取委で働く小勝負は、20歳で司法試験に合格。東大法学部を首席で卒業後、どの会社・官庁にでも就職できたのに、あえて公取委に就職したことで、まわりからは「もっといいところに入れたはずでは?」と度々疑問を投げかけられる。小勝負自身は公取委で働くことにこだわりがあるようで、「弱くても、戦わなきゃいけない」と使命感を燃やす様はどこか狂気じみている。その理由は小勝負の過去に関係が?他の審査官とは違う独特の視点や洞察力がある一方、人とは違う調査の仕方で周囲からは変わり者と思われている。
そんな小勝負の身勝手な行動に、いつも振り回されるのが白熊。理屈っぽい小勝負とは性格や考え方など、なにもかもが正反対。男勝りな性格で、警察官の父に憧れ、自らも警察官に。しかし、ある事件で犯人を目前で取り逃がしてしまい、そのことが問題視され公取委への異動を命じられる。異動して早々に、公取委が他の官庁に比べて、「弱小官庁」だと説明され、その実態に驚きながら、個性豊かな“ダイロク”のメンバーと共に、企業の不正を暴こうと奔走する。企業への立ち入り検査のほかにも、事情聴取や、張り込み・尾行など真実を突き止めるために、警察のようなことも行う一方、警察のような強力な権力を持たない公取委の捜査には、さまざまな障壁があり、白熊は公取委の実情にがくぜんとする。
頭が良すぎるがあまり、時に突拍子もない行動を取る小勝負と、実直で感情のままに行動し、頭で考えるよりも先に、気持ちと身体で体当たりしていく白熊はなかなか分かり合えず対立してしまうが、白熊は「たとえ弱くても戦う」と大きな敵にも臆することなく向き合う小勝負の考えや姿勢を次第に理解していく。
◆坂口健太郎、月9初主演 地上波連ドラ主演は3年ぶり
坂口は、『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018年4月期/フジテレビ・カンテレ)や、『イノセンス 冤罪弁護士』(2019年1月期/日本テレビ)、WOWOWオリジナルドラマ『ヒルSeason2』(2022年3月/WOWOW)、映画『余命10年』(2022年)などドラマや映画で多数の主演作がある。NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021年5月~10月)で演じた菅波光太朗は、SNS上で「#俺たちの菅波」がトレンド入りするほど国民に愛されるキャラクターとなった。
そんな坂口のフジテレビ連続ドラマへの出演は『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年1月期)、『シグナル 長期未解決事件捜査班』に続いて、今作がキャリア3作目にして、月9ドラマ初主演となる。地上波連続ドラマで主演を務めるのは、『イノセンス 冤罪弁護士』(2019年1月期/日本テレビ)以来、3年ぶり。
今作への出演について坂口は「身が引き締まるというのはどの作品も同じなのですが、“月9枠で杏さんとW主演”というのは、もう一段上の気合が入った感じがします」とコメント。サスペンス、リーガル、ヒューマンドラマなどさまざまなジャンルの作品で役を演じてきた坂口にとって「公正取引委員会」は初めての題材に。「小勝負のパーソナリティーについては、まだ全てが明らかになっていません。小勝負は、過去に何か深いものを抱えていそうなんです」と話す坂口が、小勝負をどう演じるのか。
◆杏、約20cmバッサリカットで役作り 月9出演は7年ぶり
杏は、日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』(2021年10月期/TBS)や映画『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)、映画『とんび』(2022年)などドラマや映画で話題作に立て続けに出演。新聞記者役を演じた日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』では、英語での長ゼリフを流ちょうに話し、また涙をこぼすシーンの後には、SNS上で「もらい泣きした」と反響を呼ぶなど、圧倒的な演技力に定評のある日本を代表する女優の1人。
杏は「今までにお見せしてきた私へのイメージを一度なくして、新しい役として見ていただくために」とロングヘアを約20cmバッサリとカット。作中では、アクションシーンもあるため、さまざまなアプローチで役作りをする。月9ドラマ出演は、自身が主演を務め、平均世帯視聴率12.5%を獲得し好評を博したロマンチック・コメディー『デート~恋とはどんなものかしら~』(2015年1月期)以来、7年ぶり(視聴率は、ビデオリサーチ調べ・関東地区)となる。
また、地上波連続ドラマで主演を務めるのは、『偽装不倫』(2019年7月期/日本テレビ)以来、3年ぶり。杏は7年ぶりの月9ドラマへの出演について「フジテレビのスタジオに帰ってくるのも本当に7年ぶりでしたので、社会情勢もこの7年でガラッと変わった中で、また月9という枠に戻ってくることができたのはすごくうれしいし、演じる意義みたいなものを感じています」とコメント。
また、坂口と杏の共演は、2016年公開の映画『オケ老人!』以来、6年ぶり。ドラマでの共演は今作が初となる2人だが、坂口は「小勝負と白熊としての僕と杏さんの空気感は自然と出来上がっていきました」、杏は「年齢も近いので、考え方などにギャップを感じることもなく、一緒に演じるのは楽しいですね」とお互いが信頼を寄せている。
◆「元彼の遺言状」新川帆立が2クール連続の月9原作者に
原作者の新川自身、東大法学部卒で司法試験に合格し、大手法律事務所での勤務経験もあり、さらには企業の法務部での勤務時代に企業が直面する法的問題全般を幅広く担当していたという異色のキャリアの持ち主。
そんな新川だからこそ、今まで描かれてこなかった公取委の世界を、スリリングに、ドラマチックに、そして時にはコミカルに描き、知的好奇心を満たすことができる全く新しい作品が誕生した。新川は今回のドラマ化決定を受けて「主人公の2人はそれぞれに異なる想いを抱え、ときに衝突しながらも、悪に立ち向かいます。坂口健太郎さん、杏さんがどのようなコンビとして活躍してくれるか楽しみにしています」とメッセージを寄せた。(modelpress編集部)
◆坂口健太郎コメント
― 月9ドラマ初主演を務めることについてのお気持ちは?
坂口:僕は月9というと、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)以来の出演になります。フジテレビ制作の作品も久しぶりですね。身が引き締まるというのはどの作品も同じなのですが、“月9枠で杏さんとW主演”というのは、もう一段上の気合が入った感じがします。
今回、公正取引委員会の話だと伺った時は、正直良くわかりませんでした。もちろん、公正取引委員会という名前を聞いたことはありますが、弁護士ものや警察ものとは違いそうですし…。一体、どういう話になるんだろう?と思いましたが、台本をいただいて一読したら、ものすごく面白い話だったので、楽しく撮影に臨めそうだなと思いました。
― 小勝負を演じて、意識されているところは?
坂口:ストーリーの中で“悪”となる人物がいるんです。小勝負がそんな悪と対峙(たいじ)する時、そんな悪によって救われている人もいることも考えてしまうんです。ですので、小勝負としては100%の正義でポジショントークをしてはいけないと、どこかで思っています。そういったシーンを演じるのはすごく難しいですね。
小勝負のパーソナリティーについては、全てが明らかになっていません。小勝負は、過去に何か深いものを抱えていそうなんです。それが何かわかるまでは捉えどころのない人物でいようと思っていますし、さりげなくポンッと放った言葉が相手に効くような存在になれたら良いですね。
― 杏さんとの共演についてのお気持ちは?
坂口:小勝負は、杏さんが演じる白熊と一緒に行動することがすごく多いんですが、小勝負と白熊としての僕と杏さんの空気感は自然と出来上がっていきました。小勝負が所属するダイロク(公正取引委員会 審査局 第六審査)のみなさんとお芝居をするときは、そんな小勝負と白熊の雰囲気が一緒にいるみなさんにも伝わっているからか、現場の空気感がすごく心地良いです。現場の空気感は、どうしても作品に出てくると思いますので、心地良い空気感のある作品になっているんだろうなと思いますね。
― 視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
坂口:このドラマで描かれる公正取引委員会というのは、 “弱小官庁”なんです。僕自身、時には“戦わずに負けても良い”と思うことがあります。そんな中で、小勝負の“弱くても、戦わなきゃいけない”というセリフが僕は好きなんです。まだまだうっ屈とした世の中で、小勝負、白熊、そしてダイロクメンバーといろいろな人物が登場しますが、彼らがやっていることを見て、次の日のちょっとした活力やパワーにしていただけたらと思いますし、そんな作品になるのではないかなと思っています。
◆杏コメント
― 7年ぶりの月9ドラマ出演および主演についてのお気持ちは?
杏:フジテレビのスタジオに帰ってくるのも本当に7年ぶりでしたので、社会情勢もこの7年でガラッと変わった中で、また月9というエンターテインメントをみなさまに届ける枠に戻ってくることができたのはすごくうれしいし、演じる意義みたいなものを感じています。
― 台本を読んでの感想を教えてください。
杏:公正取引委員会という組織には馴染みがありませんし、セリフの専門用語も口にしたことが無さすぎて、難しいんです。でも、白熊として演じていると、実は私たちの身近な世界を扱っていることがわかってきました。私たちが普段触れる商品が、いろいろな競争を経て価格が決められて世に出されているんだということですね。
企業間の正当な競争がないと、資本主義世界は回っていきません。そんな“競争の番人”、不正が起きないように審判として目を配る方として公正取引委員会があるということは新鮮でした。一方で、弱小官庁で…というエピソードもあるのが面白いですよね(笑)。実際に公正取引委員会の方に監修に入っていただいていますので、リアリティーがありつつ楽しい作品になっていると思います。
― 白熊を演じて、意識されているところは?
杏:まずは、新しいことを始めるのに、今までにお見せしてきた私へのイメージを一度なくして、新しい役として見ていただくために髪をカットしました。白熊はもともと警察官だったのですが、いろいろとあって公正取引委員会に飛ばされた人物です。ですので、最初は不本意な気持ちでいますし、“なんなのここ?”という感じは、視聴者のみなさんと同じ目線で、寄り添いながら物語を進めていく存在になると思います。
最初のうちは白熊は戸惑ったり、疑問を感じたりしています。ストーリーがどんどん進むにつれて、白熊が公正取引委員会で働く意義を見出していきます。社会人としてある程度経験を積んだ上で、まるっきり違う職場に移る白熊ですが、そんな白熊のように30代半ばで転職される方も多いと思うので、まるっきり違う環境で仕事を始めるという白熊の気持ちは、多くの方々に寄り添っていただけて、応援していただけるのではないかなと思います。
― 坂口さんとの共演についてのお気持ちは?
杏:映画での共演はありましたが、タッグを組むようなお芝居をするという意味では初めてです。小勝負と白熊の関係も自分たちとかけ離れたイメージを持ち込むことなく、自然な感じで出来ていますし、年齢も近いので、考え方などにギャップを感じることもなく、一緒に演じるのは楽しいですね。
― 視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
杏:この作品をきっかけに公正取引委員会の歴史はまだそんなに古くないことを知りました。商売の歴史はずっと続いているのですが、そこに“競争を守る”という概念を取り入れたのは戦後からということなんです。今の生活で販売されている水は何百、何千種類とあり、デザインなど全てが競争の中で取り扱われているんだと知って、スーパーに買い物に行った時のちょっとした目線が変わった気がします。
そんな競争をジャッジするのが小勝負や白熊なのですが、その中でいろいろな人の人生と社会が混ざり合っていく様子が、上手く表現されていると思うのでワクワクしています。このワクワク感をみなさんにも味わっていただけたらと思います。
◆原作 新川帆立コメント
― ドラマ化決定を受けて
新川:原作は“令和版『HERO』”のイメージで、『Can You Keep A Secret?』を聴きながら書いたため、月9ドラマ化が実現してとてもうれしいです。公正な競争は社会にとって非常に重要なインフラです。競争を守り支える公正取引委員会の取り組みが、より広く知られるきっかけになればいいなと思います。主人公の2人はそれぞれに異なる想いを抱え、ときに衝突しながらも、悪に立ち向かいます。坂口健太郎さん、杏さんがどのようなコンビとして活躍してくれるか楽しみにしています。
◆プロデュース 野田悠介(フジテレビ第一制作部)コメント
― 企画意図
野田:“企業の不正を暴き、弱者を救う”。一度は聞いたことがあるけど、何をしているのかまではあまり知られていない公正取引委員会。警察や検察のように逮捕や強制捜査などの権力もない、税務署のように身近な存在でもない。ただ、公取委の方々は人知れず、競争を歪めようとする企業の不正と向き合い、消費者の方々に不利益を被らせないように努め、公正な競争を促進している。行なっている仕事は本当に地味かもしれませんが、新川先生の原作を読んだ時、立場の弱い人たちの背中をそっと押す、応援歌としてのメッセージも感じました。
2クール連続で新川先生の原作をドラマ化させて頂くことは大変光栄で、新川先生からは“原作とドラマでどちらが面白い作品を作れるか競争ですね”と仰って頂いているので、視聴者の方々にも原作とドラマで2度楽しめるドラマに仕上げていきたいと思います!
本作は働いている人なら誰しもが共感できる親会社と下請け企業、上司・部下の関係性、企業間などの横のつながり。いろいろなしがらみがある中で、公正取引委員会がどのように救っていくのか。そして第六審査に所属する6人のメンバーたちの個性豊かな掛け合いも本作ならではの魅力の一つです。ドラマ史上初めての公正取引委員会を舞台にした凸凹バディのエンタメ・ミステリーを、是非お楽しみに!
― キャスティングについて
野田:このドラマを盛り上げるべく、今をときめくすてきな主演のお2人に参加して頂きます!坂口健太郎さんは小勝負勉という、誰に対しても物おじせず、他の人とは違う着眼点を持っている人物です。一見つかみどころのない存在だが、内に秘める芯の強さがあります。その原動力となった案件は何なのか?物語が進む中でそのベールが明かされていきます。柔らかさと芯の強さを同時に体現できるのは坂口健太郎さんしか思い浮かびませんでした。
そして杏さんは白熊楓を演じて頂きます。実直で、頭より気持ちと身体で体当たりしていく性格。一直線な熱さを持つため自分のことは二の次。白熊というキャラクターを演じるため、杏さんは髪を切り、イメージを一新して役作りをして頂きました。杏さんが持ち合わせる前向きさ、ひた向きさ、立場の弱い人に対する寄り添い方など、白熊楓を体現して頂けると思いました。それぞれ性格もやり方も違う個性的な凸凹バディに、是非ご期待下さい!!
◆第1話あらすじ
刑事としてとある事件の犯人を追う白熊楓(杏)は、犯人を目前で取り逃がしてしまう。白熊は犯人を取り逃がしたことを問題視され、公正取引委員会への異動を命じられる。突然のことに動揺したまま、公正取引委員会・第六審査へと赴いた白熊。そこで、小勝負勉(坂口健太郎)ら、第六審査・通称“ダイロク”の面々と出会う。刑事から公正取引委員会という右も左も分からない場所へとやってきた白熊の教育係を任せられた小勝負だが、白熊に手取り足取り、公取委の仕事を教える気など一切ない様子。
そんな中で、2人が調査することになったのは、複数のホテルで行われているウエディング費用のカルテル問題。調査の中で、自由奔放に行動する小勝負と、刑事と公取委での世間の認知度や扱いの違いに苦しむ白熊。そんな2人は、なぜか調査中に警察に追われる立場に?性格や考え方など、なにもかもが正反対の小勝負と白熊が調査する中で、さまざまな問題が起き、それに振り回されるダイロクの面々は、カルテル問題の真相にたどり着くことができるのか!?
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