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Sunday, May 15, 2022

外交強化にODA予算拡充焦点 開発協力大綱改定へ - 産経ニュース

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首相官邸=東京都千代田区

政府が年内に見直す「国家安全保障戦略」や「防衛計画の大綱」など戦略3文書の主眼が防衛力強化に置かれているのに対し、「開発協力大綱」の改定はより効果的な外交を展開するための取り組みだ。国際情勢に合わせた新たな施策を盛り込むことに加え、政府開発援助(ODA)予算の大幅な拡充など実効的な外交力強化につなげられるかが焦点となる。

「ロシアによるウクライナ侵攻と、その後の国際社会の動きを見て、今のままではダメだと痛感した」

ある政府関係者はこう語る。日本は「自由で開かれたインド太平洋」を推進し、アジア諸国などに法の支配をはじめとする普遍的価値の重要性を説いてきた。ただ、ウクライナ有事後の反応は期待通りのものばかりではなかった。アジアでロシアに制裁をかけているのは日本以外では台湾、韓国、シンガポールなどにとどまる。国連の対露非難決議でもインドやベトナムが棄権に回るなど、ロシア寄りの姿勢を見せる国も続出した。

中国のアジアでの影響力はロシアを大きくしのぐだけに、台湾有事や日本有事の際にも同様の事態が懸念される。外務省幹部は「いざというときの協力を確固たるものにするため、あらゆる切り口で対外支援を充実させ、各国との仲を戦略的に深めておく必要がある」と指摘する。開発協力大綱の改定は、その一環といえる。

焦点となるのが、関係強化の裏打ちとなるODA予算だ。国連は国民総所得(GNI)比で0・7%のODA予算確保を各国に求めているが、日本は0・3%台にとどまる。防衛費と同様、国の経済規模に見合った役割を果たしているとはいえないのが実情だ。

別の外務省幹部は「必要な対外支援や協力は、いつでもストレスなく実行できる体制を整えたい」と説明する。大綱改定をODA予算の抜本的増強に結び付ける構想を描く。

与党はこうした動きを後押しする。自民党の国際協力調査会は近く、大綱改定を含む提言を出す方向だ。佐藤正久外交部会長は、党が防衛大綱に代わり「国家防衛戦略」を策定するよう提言していることを踏まえ、「開発協力大綱も年内に『戦略』に格上げし、外交と防衛が安全保障の両輪として機能する体制を整えるべきだ」と訴えている。(石鍋圭)

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