朝鮮半島から日本、インド太平洋に及ぶ広大な地域の安全保障などの課題について、関係国の首脳が協力体制を確認したことを歓迎したい。
一連の主要な会談が東京を舞台に開かれたことが示すように、重層的な協力の中核として日本が果たす役割は大きい。
日米豪印4か国の枠組み「クアッド」の首脳会談は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、様々な分野で協力を進めることで合意した。
対面での首脳会談は、昨年9月以来2回目だ。豪州のアルバニージー新首相も、前政権の方針を踏襲して出席した。
岸田首相は「ロシアによるウクライナ侵略は、国連憲章の諸原則への真っ向からの挑戦だ。インド太平洋で同じようなことを起こしてはならない」と語った。
共同声明では、ウクライナ危機について、国家主権と領土の一体性の重要性を指摘したうえで、「全ての国が国際法に従って紛争の平和的解決を追求しなければならない」と強調した。
ロシアを名指しで非難しなかったのは、伝統的に友好関係を保ってきたインドに配慮したものだ。インドは今回も先進7か国(G7)と一線を画し、直接のロシア批判を避けている。
ただ、国際情勢が不安定化するのはインドにもマイナスとなる。G7が主導する対露制裁の抜け穴とならないよう、日本は粘り強く働きかけを続けるべきだ。
中国は東・南シナ海で覇権主義的な行動を強め、
共同声明が「ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対抗する」として、国際法の順守や航行・上空飛行の自由の維持を強調したのは、中国への
4か国は、東南アジアなどを想定し、インフラ分野で500億ドル以上の支援を目指すことを打ち出した。援助に関する日本の知見を生かし、質の高いインフラ整備を進めることが大切だ。
中国との競争が激化している先端技術についても、高速・大容量通信規格「5G」に関して4か国の協力を深めていく方針だ。
4か国は既に感染症対策や防災などで途上国支援に取り組んでいる。さらに協力できる分野を広げ、他国の発展に貢献することがインド太平洋の安定につながろう。
英国やフランス、ドイツなどもこの地域への関心を高めている。欧州とも意思疎通を図り、具体的な成果を積み上げたい。
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