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Friday, July 2, 2021

新型コロナ陽性で大会棄権の松山英樹、全英オープンには間に合う?東京五輪は?(舩越園子) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

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タイガー・ウッズが12月1日~4日にバハマで開催されるヒーロー・ワールド・チャレンジで“今度こそ”試合へ復帰すると発表した。

米ゴルフ界の反応はというと、喜びや安堵の声もあれば、「またドタキャンするかも」という半信半疑の声もある。

そんな中、先日のセイフウエイ・オープンをドタキャンした背景には“やっぱりウッズも人間”という事情があったことを明かす声も漏れ聞こえている。

【ドタキャンの本当の理由?】

ウッズが最後にプレーした試合は2015年8月のウインダム選手権。その直後から2度に渡る腰の手術を受けたウッズは、以後、戦線離脱し、リハビリ生活を送ってきた。

先日のセイフウエイ・オープンは14ヶ月ぶりの復帰戦になるはずだったが、ウッズは開幕わずか3日前にドタキャン。

「米ツアーのベストプレーヤーたちと戦えるだけの準備が整っていない」

「僕のゴルフは脆い状態」

それが、ウッズが自らのHP上で明かしたドタキャンの理由だった。

同時にウッズは、復帰2戦目となるはずだった欧州ツアーのトルコ航空オープンへの出場も取りやめた。そして復帰3戦目となるはずだったヒーロー・ワールド・チャレンジへの出場可否は保留していたのだが、ウッズ自身が大会ホストの大役を担い、ウッズ財団のチャリティ活動の集大成でもある同大会でほぼ16か月ぶりの復帰を果たそうと決めたというわけだ。

だが、ウッズがヒーローへの出場を決めたこと以上に気になるのは、先日のセイフウエイ・オープンをドタキャンした背後にあった事情だ。というのも、ウッズのマネージャー氏が一部の米メディアに気になる“裏事情”を明かしたからだ。

USAトゥデイ紙の報道によれば、ウッズが試合を戦うために必用な感覚を失ったのは、ウッズが副キャプテンを務めたライダーカップの期間中。「タイガーはそこで(選手たちの練習に混じって)数ホールをプレー。それが彼を試合復帰から遠ざけることになったんだ」とは、マネージャー氏の言。

ライダーカップ直後の別の報道によれば、ライダーカップ会場だったヘイゼルティン・ナショナルの練習場で米国チームのメンバーたちから「球を打って見せてくれ」と乞われたウッズは、それを拒否したと伝えられていた。だが、マネージャー氏によれば、ウッズは実際にコース上で数ホールをプレーし、そこで何かが起こり、それがウッズの復帰戦ドタキャンにつながったというのだ。

マネージャー氏は「タイガーのチッピングに関するコメント(報道)が世の中にはたくさん上がっている。それが復帰を妨げている。ナンセンスだ」と不快感も露わにしている。

【「守りたい」からこそ】

これらの話、補足をすると、こういうことになる。

要するに、すべてはウッズのアプローチ・イップスのことを指している。ライダーカップ会場で数ホールをプレーしたとき、おそらくウッズはグリーン周りでチップショットのミスを連発するか、感覚の狂いを痛感するかして、これでは復帰は難しいと感じたのだろう。

おまけに、ウッズの周辺ではアプローチ・イップスをネタにしようと嗅ぎまわるゴシップ的メディアの無茶な取材も横行しており、ウッズのもとへは毎日ひっきりなしに電話がかかってくるそうだ。

そんな中、感覚が狂っていて自信がないまま復帰戦に出たとしても、そこでアプローチがボロボロだったら、「何を言われるかわからないし、何を書かれるかわからない」「やっぱり出るのは、やめよう」となったことがマネージャー氏が漏らした言葉から推し測られる。

ウッズだって人間だ。心は揺れるし、傷つきもする。「そんなの嫌だ」という感情は、そりゃあ抱いて当然だ。あの復帰戦ドタキャンの背後には実はそんな事情があったようだ。

ウッズの大学時代からの親友であり、かつての米ツアー選手であり、現在はTVコメンテーターを務めるノタ・ビゲイは「タイガーは取材の電話なんかには取りあっていないし、存分に練習できる今を楽しんでいるし、何より試合で戦うことを楽しみにしている」と語っている。だが、それは今ではすっかりメディア化したビゲイの表向きのお手本コメントだ。

選手の傍らにいるキャディやマネージャーは、我が選手を守りたい一心で、ときに“お手本的な言動”を忘れ、ついつい本音を漏らしたり、本音に基づく行動を取ったりするものだ。

その昔、フィル・ミケルソンのある発言が原因で、ウッズとミケルソンの犬猿ぶりがマックスになっていると見られていた真っ只中、2人がメジャー大会の予選2日間を同組で回ることになった。もちろん、あえてそういうペアリングが組まれたのだ。

初日の1番ティの周囲には、2人が挨拶を交わすかどうか、握手をするかどうかを確かめようと大勢の記者やカメラマンが20分も30分も前から陣取り、待ち構えていた。 

だが、ウッズとミケルソンが1番ティの上で接近したその瞬間、当時のウッズのキャディだったスティーブ・ウイリアムスはウッズのゴルフバッグを持ち上げてウッズとミケルソンの前に置くという奇妙な行動を取り、カメラマンたちからは激しいブーイングの嵐。

あれは、握手するかどうかなんてことが大きく注目されていて「嫌だな」とウッズが事前にキャディに漏らしていたからにほかならない。キャディはそんなボスをなんとかして守らなければと思い、その一心でゴルフバッグを意味もなく移動させ、シャッターチャンスを阻害したのだと思う。

【ゴルフファンなら、わかるはず】

そんなふうに、選手が語らずとも、選手に近い人々の言動が選手の本音を垣間見せてしまうことはある。

しかし、隠そうとすればするほど、突き止めようするのはメディアの性。いや、それもまた人間の悲しい性なのかもしれない。

だが、そもそも練習を怠ったり試合から離れたりが長期化したとき、感覚的に一番狂いやすいものは、ドカーンと振り切るドライバーショットではなく、繊細な感覚が求められるショートゲームであることは、ゴルファーなら周知の傾向だ。

「何か月もクラブが握れず、1年以上も実戦から離れていたので、小技の感覚は戻り切っていないけど、僕は戦いたい。戦うことが好きだ。だから戦いに復帰します」

いっそのこと、そう明言してしまえば、たとえウッズがグリーン回りでウロウロしたとしても、人々は「頑張れ!」とエールを送るだろう。少なくともゴルフをやる人々なら、思わず応援したくなるはずだ。

しかし、なかなかそうもできないところは、やっぱり人間ウッズのプライドであり、意地でもあるのだろう。

だが、いつまでもイジイジしていたら何も始まらない。「覆水盆に返らず」とも言うが、「案ずるより産むがやすし」とも言う。

とにかく、まずは復帰!今度こそ――。

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