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Monday, July 6, 2020

"アフターコロナ"の旅行はより贅沢なものになるだろう —— ホテル業界と航空業界の専門家が予想 - Business Insider Japan

旅行

Getty

  • ホテル業界や航空業界の専門家によると、"アフターコロナ"の未来の旅行はより豪華でロマンティックなものになりそうだ。
  • 高度にパーソナライズ化され、ソーシャル・ディスタンスを確保したホテルでは、客のプライバシーがより守られるようになると、ミスター&ミセス・スミス(Mr & Mrs Smith)の創業者ジェームス・ローハン(James Lohan)氏はウェビナーで語った。
  • 都会を離れて遠隔地に滞在したいと考える人が増える中、都会のホテルは先行きが危ぶまれそうだ。
  • 旅行は今後、頻度を減らし、より贅沢に過ごすものになるだろうと、プライベートフライ(PrivateFly)のCEOアダム・トワイデル(Adam Twidell)氏は語った。

"アフターコロナ"の未来の旅行は「高度なパーソナライズ化」が全てになるだろうと、ホテル業界や航空業界の専門家たちは見ている。

多くの国が新型コロナウイルスのロックダウン(都市封鎖)から恐る恐る抜け出し始める中、多くの人は再び旅行をすることを考えている。

そして、アフターコロナの世界では、長期休暇はこれまでにないほど贅沢なものになりそうだ。

ブラック・トマト(Black Tomato)が主催したウェビナー「The Traveller in 2020 and Beyond」では、ブティックホテルのスペシャリストであるミスター&ミセス・スミスの創業者でチーフ・クリエイティブ・オフィサーのジェームス・ローハン氏と、イギリスに拠点を置きプライベートジェット・チャーターを手掛けるプライベートフライのCEOアダム・トワイデル氏がともに、旅行はよりパーソナルなものになるとの見方を示した。

"ソーシャル・ディスタンス"で高まるプライバシー

ホテルが再び客を迎え始める中、それぞれの客が自分ならではのホテル滞在をデザインできるようオプションが増えることになりそうだ。

「(滞在中)どのように世話をされたいか、客は尋ねられるようになるだろう」とローハン氏は言う。

「かばんを運んでもらいたいか、スタッフとは一切接触したくないか? 毎晩、ターンダウンをしてもらいたいかどうか? 毎日、部屋を掃除してほしいかどうか?」

ローハン氏はまた、昼食や夕食の提供時間が長くなり、一度にレストランに集まる人の数も減るだろうと見ている。さらに、レストラン以外でも食事ができるようになるかもしれないという。

「ホテルの中の、以前は使っていなかったようなおもしろい場所で夕食や昼食がとれるようになる可能性もある」

さらに、ローハン氏によると、もしホテルのレストランで食事をするにしても、メニュー表を受け取ることはなくなるだろうという。

「全てリモートで行われるようになるだろう。注文をするためにiPadを渡される可能性もある。これは一部のホテルがすでにルームサービスで取り入れていることだ」

ローハン氏は、スタッフとの対面での接触が大幅に減るだろうと見ている —— つまり、よりプライバシーが高まるということだ。例えば、受付でのチェックインは過去のものになり、客はスクリーンやアプリ、オンラインで自分でチェックインするようになるだろう。

「ソーシャル・ディスタンスでわたしたちは普段よりも客から大幅に離れていなければならないので、これはロマンティックな旅行にとっても良いことかもしれない」とローハン氏は語った。

いろいろな意味で、旅行はより贅沢なものになりそうだ。

混雑したバーに座るのではなく、バーテンダーが直接部屋に来て、飲み物を作ってくれるのが当たり前になるかもしれない。

シティホテルは客を取り戻すのに苦戦

ローハン氏は、ロックダウン後、客を引き付けるのに最も苦戦するのは都会のホテルだろうと考えている。人が交わることによって生まれる都会の興奮や雰囲気に人は引き付けられるからだ。

中でも出張旅行はピンチだ。企業はバーチャルなコミュニケーションがその代わりとなり、それがこれまで払ってきたフライト料金やホテルの宿泊料の大幅な節約になることに気付いたからだ。

「出張旅行の客に大幅に依存してきたシティホテルは(ホテルのあり方を)見直し、レジャー客をもっと意識する必要がある」とローハン氏は言う。

都会のホテルはもうその立地で客を引き付けることはできず、客に来てもらうためのよりクリエイティブな方法を考える必要がある。

「シティホテルは相当な努力をしなければならないだろう」とローハン氏は話した。

「わたしたちは混雑している場所にいたくない」

こうした理由から、都会の観光地はその人気が低下するかもしれない。

「わたしたちは、雰囲気や興奮を求めて都会へ行きがちだ。だが、今は違う方法でやらなければならない」とローハン氏は語った。

「(都会のホテルは)アートやカルチャー、娯楽といった面をより打ち出していかなければならない」

また、新型コロナウイルスのパンデミックで、都市部からより広々とした地方へ逃れたいと考える人が増えたと、ローハン氏は指摘する。イギリスでは、大都市よりもコッツウォルズの趣のある村に人々は旅行先として関心を示しているという。

田舎のイングリッシュ・コテージやスコットランドの城からアルプスのシャレーやモルディブのヴィラまで、遠隔地や個人宅、人里離れた場所がより人気となりそうだ。

頻度は減って、より贅沢な旅へ

「経験はもっともっとプライベートなものになり、どんなグループにも人は入らなくなるだろう」とローハン氏は言う。

だが、言うまでもなく、プライバシーとパーソナライズ化にはコストがかかる。

プライベートガイド付きの旅行が団体旅行に取って代わる中で、トワイデル氏とローハン氏は、人々が今後、旅行に行く回数は減るだろうと見ている。ただ、その分、1度の旅行により多くのお金を使うようになるという。

「わたしたちのクライアントは、1年あたりの旅行に出かける回数を減らすことを受け入れました」とトワイデル氏は語った。初めてプライベートジェットに乗る客がプライベートフライに大きな関心を示しているという。

同社の予約に占める新規顧客の割合は通常約25%だが、最近では65%まで上がっている。

「彼らは、以前のように何度も休暇に出かけることはしないからこそ、出かける時はもっと楽しみたいんだと、話している」とトワイデル氏は語った。

機内が広々としているからというだけでなく、人々は普通の航空会社を利用するためにチェックインを待つのではなく、プライベートジェット用のターミナルが利用できることにも魅力を感じていると、トワイデル氏は言う。

普通の小旅行に行くのではなく、旅行者は長い休暇を楽しんだり、以前よりもある場所を深く探索したりすることで、フライトを最大限に活用したいと考えるだろう。

「イタリアやポルトガル…… 行き先はどこであれ、人々は1つの国でも異なる地域で2つか3つの異なるホテルに宿泊するかもしれない」とローハン氏は話した。

[原文:Travel will become more luxurious after the coronavirus pandemic, hotel and aviation experts predict

(翻訳、編集:山口佳美)

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