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Sunday, February 2, 2020

原口一博さんの「亡き妻をしのぶ思い出の味」 | 永田町・霞が関のサラめし - NHK NEWS WEB

通常国会の序盤、予算委員会で論戦が始まったこの日。
国会内の廊下に、いい匂いが立ちこめてきました。
「どうぞ~、入ってください」

エプロン姿で迎えてくれたのは、国民民主党の国会対策委員長・原口一博さん(60)です。

「お昼ごはんを見せてください」という取材に用意してくれたのが、こちら。

自家製のビーフシチューです。ジャガイモやにんじん、牛肉などがたっぷりと入っています。

5時間かけて煮込んだ食材は、すべて地元・佐賀のものを使っているんだとか。

そして、こちらのちらし寿司。

エビやいくらなどの海鮮ネタがたっぷりとのった豪華な一品です。

「せっかくだから、みんなに声かけて!」

原口さんの一声で、続々と議員が集まってきました。
立憲民主党の国会対策委員長、安住淳さんの姿もあります。(向かって原口さんの左隣)

「いただきま~す」

論戦の合間のひとときに、同じ会派の仲間たちとのランチが始まりました。

「おかわりください!」「大盛りでお願いします!」
味は好評のようです。

ご満悦の様子の原口さん。
実はこの2つのメニューには、特別な思いが込められていました。

「亡くなった妻がよく作ってくれていたんですよ」

6年半前、原口さんは最愛の妻・直子さんを急な病気で亡くしました。
53歳の若さでした。

「妻は、高校の同級生。パートナーであり、同志でもありました。直前まで元気だったので、魂まで持って行かれたような喪失感がありました」

直子さんが生前、よく作ってくれたのが、このシチューとちらし寿司。

「妻は、こうやってみんなで食べるのが好きでした。事務所のスタッフを集めて、よく食べたんですね。ちらし寿司は、『春を呼ぶ料理だから』と言って、特にこの時期に作ってくれたんです。今日は、妻の味を再現してみました」

出来映えはいかがですか?

「100点ですね。ちらし寿司は、酢の効き方もちょうどいい」

そんな原口さんですが、妻を亡くした3年後、今度は、自身が骨が折れやすくなる難病であることがわかりました。

「7回も手術をして、『もう勘弁してくれよ』っていう状況でした。選挙の時には『難病の国会議員に何ができるんだ!』って言われたこともありましたが、いろいろな人に支えれ、助けてもらった。人間って、人に生かされているんだなって」

たび重なる苦難を乗り越えて、仲間とともに思い出の味をかみしめたお昼ご飯。
ごちそうさまでし…

いえ。今回の「サラめし」はまだ終わりません。

実は、原口さんはもうひとつ、特別なお昼ご飯を持ってきていました。
取材があると知った大学生の次女がお弁当を作ってくれたのです。

「妻が亡くなった時、彼女はまだ中学3年生でした。『私だけ、14歳までしかお母さんがいない』って、一度だけ、泣いたんです。高校に入る前だったから、母親にお弁当を作ってもらったことがないんです」

そんな次女が、お父さんのために心を込めて用意したお弁当。

卵焼きにきんぴら、ほうれん草のおひたしなどがきれいに詰められています。

そして、こちら。奥様が好きだったという熊をイメージした“キャラ弁”です。

「食べているところを撮らせてください」と頼んだところ…

「いやいや、これはあとでゆっくりとね」

原口さんは、お弁当を慈しむように見つめ、静かにふたを閉めました。

取材のあと、妻と子どもの顔を交互に思い浮かべ、一口一口、ゆっくりと味わったのでしょうか。

亡き妻をしのび、家族の愛を感じたランチタイム。

ごちそうさまでした!

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February 03, 2020 at 08:00AM
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