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Friday, February 28, 2020

和歌山)「炭ケーキ」考案の地域おこし協力隊員が退任 - 朝日新聞社

 和歌山県田辺市の地域おこし協力隊員として、道の駅「紀州備長炭記念公園」(同市秋津川)の看板メニューになった「炭ケーキ」を考案した魚住奈央さん(28)が29日で任期を終える。18日に同園で退任式があり、3年間の活動成果を報告し、地域の人らに炭ケーキを振る舞った。

 魚住さんは東京育ち。那智勝浦町で生まれたことから和歌山での地域おこし協力隊員に応募し、日頃炭製品を愛用していたので、備長炭が約300年前に生まれた秋津川を任地に希望。2017年3月から道の駅を拠点に活動を始めた。

 2年目には喫茶「備長の郷」の新メニュー開発に取り組んだ。既にあった備長炭コーヒーに合い、和風味を持たせようと考案したのが「炭ケーキ」。バターケーキの生地に備長炭の粉末を練り込み、白あんを挟んだ。甘さは控えめに、ホイップクリームに地元産の梅ジャムを添えた。備長炭は無味無臭だが、真っ黒な見かけにはインパクトがあり、メディアで取り上げられて、今では喫茶全体で3番目の売り上げを記録する看板メニューに成長した。

 「和歌山でも山間部は雪が降ると、ここに来て初めて知った。最初は初めて住む日本家屋で寒さと格闘でした」と魚住さん。地域の人は「ごはん食べにおいで」「お茶飲んでいき」と気さくに誘ってくれ、ここ1年ほどは気軽に応じられるようになったという。「個人での活動が多く、地域の課題まで手が回らなかった。もっと地元の人と協力するべきだった」と反省も。今後は田辺市に本社がある企業の東京支店で働くことが決まったという。(大野宏)

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