「空母化」に向けた第1次改修を終えた護衛艦いずもが、インド太平洋地域の海軍との連携の強化を狙った今年の「インド太平洋方面派遣(IPD23)」に旗艦として参加した。米豪との協力を進める日本の安全保障の行方や、いずもの今後について、派遣部隊の指揮官を務めた西山高広・第1護衛隊群司令(海将補)と、アジア太平洋の国際関係に詳しい佐竹知彦・青山学院大准教授に聞いた。
「海外に出て行かなければならない機会増えている」 西山高広・第一護衛隊群司令
西山高広・第1護衛隊群司令(海将補)はIPD23への派遣部隊で指揮官を務めた。
――海自の艦艇がインド太平洋の海域を回るインド太平洋方面派遣も今年で7回目となりました。派遣部隊の規模も大きな編成になり、個艦、艦隊と動きも多様になっています。その狙いはなんでしょうか。
「今年のIPDは三つの部隊で編成されました。私が率いている第1水上部隊はいずも、さみだれ、しらぬいという3隻の護衛艦です。第2水上部隊が、輸送艦しもきた。第3水上部隊は、FFMと呼ばれる(新しいタイプの)護衛艦くまのが、東南アジアに行きました。IPDの目的は『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』が前提になっています。対象のエリアはインド太平洋全体で、非常に広い。防衛協力、防衛交流も含めて海外へ出て行かなければならない機会が増えています。艦隊で行動するだけでなく、(個艦として)1隻でも動き、できるだけフットプリントを大きくするという行動態様になってきているということです」
事実上の「空母化」が進む海上自衛隊最大の護衛艦いずも。今夏、インド太平洋の海域を3カ月半にわたって航行しました。この航海に同乗して見えた、いずもの現状や、海洋進出を強める中国とせめぎ合う安全保障の「最前線」を報告します。
――特に今年は太平洋の島嶼(とうしょ)国への訪問が多くなりました。
「主に護衛艦しらぬいが、キリバス、パラオ、ソロモン諸島へ行きましたが、狙いは、FOIPに戻ります。FOIPは特定の国を対象にしているわけではありませんが、FOIPの趣旨はインド太平洋の平和と安定、逆説的に言うと、力による一方的な現状変更を許さないというメッセージでもあります。それを実現するためにどこへ行かなければいけないのかと考えると、太平洋島嶼国も対象になってくるということです」
――太平洋の島嶼国は、米中の覇権争いの分脈で、中国が影響力を広げようとしている地域と一致します。
「中国がインド太平洋でどう…
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