中国人民銀行は、最新の金融安定報告書で、仮想通貨規制と分散型金融（DeFi）に関連する問題を取り上げ、仮想通貨ルールを確立するための世界的な取り組みを呼びかけた。
中国の中央銀行は、12月22日に公開された新しい金融安定報告書の中で暗号資産に特別なセクションを設け、各国の共同イニシアチブによって仮想通貨業界を規制する必要性を強調した。報告書によると、仮想通貨市場は世界の金融システムの1%を占め、伝統的な金融とのつながりは限定的だという。
地元の業界ジャーナリストのコリン・ウー氏によると、中国人民銀行の金融安定報告書で暗号資産に特化したセクションを設けたのは初めてだ。報告書では、世界各国の政府に対し、「同じビジネス、同じリスク、同じ監督」のアプローチを適用し、規制上のアービトラージを回避するよう呼びかけた。
報告書は、仮想通貨規制のアービトラージから生じる潜在的なリスクを指摘し、ハッカー攻撃への脆弱性、市場操作、DeFiのガバナンスに関連する懸念に言及した。中国人民銀行は特に、2022年のテラエコシステムの崩壊と仮想通貨取引所FTXの破綻を挙げ、規制の断片化を管理し、監視のアービトラージを排除する必要性を強調した。
数年前に中国政府が仮想通貨に関する大規模な禁止を発表したが、今回は中国が世界各国に対し仮想通貨業界の共同規制を促す動きを見せた。
2021年、中国人民銀行は公式に中国本土での仮想通貨を禁止するための措置を発表し、国内の仮想通貨活動の取り締まりにおける強力な部門間協調を推進した。ほぼすべての仮想通貨取引や仮想通貨マイニングを禁止したにもかかわらず、中国本土は主要な仮想通貨マイニングハブとして残っている。
アニモカブランズ共同創設者のヤット・シュウ氏など一部業界幹部によると、香港の急速な仮想通貨採用は、今後中国本土での仮想通貨規制における「大きな動き」を示唆しているかもしれない。一方で、他の専門家は、中国の仮想通貨に対する立場が香港の仮想通貨フレンドリーな動きとは関係ないと考えている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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