岸田文雄首相は25日、経団連の審議員会に出席し、2024年春闘について「今年を上回る賃上げ実現に協力をいただきたい」と述べた。「国民に所得が増える実感を持ってもらう必要がある。定額減税で可処分所得を下支えしたい」と強調した。

経団連の十倉雅和会長は冒頭のあいさつで、来年の賃上げに関して「今年以上の熱量と決意で取り組む」と強調し、官民連携でデフレからの完全脱却を目指すとした。

経団連は毎年1月、春闘の経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」をまとめる。24年春闘に向けた報告では、物価高などを踏まえ「23年以上の意気込みと決意を持って」賃上げを検討、実施するよう会員企業に要請する方針だ。

審議員会は経団連会長の諮問機関で、議長はJR東日本の冨田哲郎会長が務めている。(共同)