韓国に着任してから3年弱。これまで訪れた施設で、日本語の説明が最も充実していると感じたのが、今月訪問した鉄鋼大手ポスコの浦項(ポハン)製鉄所だった。
ポスコは1965年の日韓国交正常化に伴い日本が供与した経済協力資金を基に、韓国の高度成長を牽引(けんいん)した企業だ。現地の歴史資料館と製品展示館には日本語通訳がそれぞれ別に配置され、音声翻訳資料も豊富。日韓技術者の交流などを詳しく学ぶことができた。
多くの中高生が修学旅行で訪れ日韓協力の歴史を学ぶというので、社員に尋ねた。「革新系政権の時は、人気がないんじゃないですか」。保守系政権下の「漢江(ハンガン)の奇跡」を誇示する施設は敬遠されるのかと思ったが、返答は「ノー」。「社のトップも革新系に代わるので、政治的な摩擦は起きない」という。
韓国でトップ5に入る大企業だが、オーナー不在のポスコは政権交代のたびに人事介入を受けた。任期満了で退いたトップは過去一人もいない。前政権下で就任した現会長も、現在は大統領外遊団から外されるなど露骨に冷遇されており、メディアは「ポスコ会長残酷史」と呼ぶ。
ポスコを知れば日韓関係だけでなく、大統領府が強大な権限を持ち、企業活動をも左右する韓国政治の一面を学べるというわけだ。(時吉達也)
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