岸田文雄首相（自民党総裁）は31日、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談し、自公両党の次期衆院選に向けた東京での選挙協力を復活させることで正式に合意した。東京で両党の候補者を相互に推薦する。会談後、山口氏が記者団に明らかにした。
東京の衆院小選挙区は全30選挙区。このうち公明は東京29区のみに候補を擁立し、自民は残り29選挙区に候補を立てる予定だ。相互推薦では、東京29区の公明候補を自民が推薦し、残りの選挙区は、希望する自民候補に公明が推薦を出す。このほか次々回の衆院選で、公明が東京の小選挙区で2人目の候補者を擁立し、議席を得ることを両党の「共通目標」とする。こうした合意内容を盛り込んだ文書を作成し、近く両党首が署名する見通し。
山口氏によると、首相は会談で「自分がお願いをして前へ進めたいと言ったことなので、この合意ができたことで両党が力を合わせられるようにしていきたい」と語ったという。
山口氏は記者団に「自公連立政権の安定を維持して内外の重要な課題を乗り越えていくために、協力を最大限に行える体制を整え、議席も最多になるように互いに協力し合うという大局観で考えていく必要がある」と強調した。
両党の選挙協力を巡っては、公明が今年5月、東京で2人目の候補者の追加擁立を自民に拒否されたため、選挙協力の解消を表明。約3カ月にわたって対立が続いていた。【竹内望】
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