(CNN) 米国とパプアニューギニアは22日、新たな2国間の防衛協力協定に署名した。太平洋諸島地域で米中が影響力を競う中、論争に火をつける動きとなっている。
パプアニューギニアのマラペ首相と首都ポートモレスビーを訪問中のブリンケン米国務長官は同日、上記の協定に加え、海事の安全保障に関する協定にも署名した。
どちらの国からも協定文書の事前公開はなかったが、新たな防衛協力により米国はパプアニューギニアの軍事その他の施設へのアクセスを拡大するとみられる。これは米国政府が南太平洋地域での安全保障上の結びつきを強化することを意味する。
人口の少ない島嶼(とうしょ)国の他、ニュージーランドやオーストラリアも含む南太平洋地域は、米国にとって一段と重要性が増している。アジアでの存在感を高めようとする米国と、近年海軍力を急拡大させる中国との間では現在緊張が高まっている。
中国は昨年ソロモン諸島と安全保障協定を締結。他の太平洋島嶼国に対しても地域の貿易や安全保障問題に関する包括的な協力態勢の構築を図る協定などを提案したが、支持を得るには至っていなかった。
ブリンケン氏のパプアニューギニア訪問に先駆け、米国のバイデン大統領は先週、政府債務の上限引き上げをめぐり議会指導部との協議が難航していることを理由にパプアニューギニアとオーストラリアへの訪問中止を発表していた。
20日の声明の中で、パプアニューギニアは米国との協定を好機と捉え、自国防衛のインフラ・能力の増強につなげたいとの考えを示唆。現在、世界的な安全保障上の懸念が高まっていると指摘した。
その上で、「パプアニューギニアに敵はいないが資金を投じて備えはする」と表明。領土的対立は間近に迫っており、それはウクライナとロシアのケースから分かるとの見解を示した。ただ、中国を含む他国との「協力」を排除しているわけではないとも付言した。
新たな協定を巡っては、パプアニューギニア国内で論争も起きている。付随する結果に関して、政府からの透明性が欠如しているといったことが理由だ。
専門家らは協定について、議会の承認が必要で、司法が異議を唱える可能性もあると指摘する。
それでもパプアニューギニア大学からローウィ国際政策研究所に出向する研究員、マホロパ・ロベリ氏は、地域最大のパプアニューギニアが残りの国々に対し、オーストラリアや米国といった西側を安全保障上のパートナーに選んだとの明確な合図を送ったと説明。協定への署名は地域にとって重大なメッセージを発しているとの認識を示唆した。
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