韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、16日の岸田総理大臣との会談で、首脳による相互訪問「シャトル外交」の再開など幅広い分野での協力強化を確認したのは大きな成果だと受け止めています。韓国国内で太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題の解決策への反発がくすぶる中、日本との関係改善の流れを確かなものにできるのかが問われることになります。
韓国のユン・ソンニョル大統領は16日、就任後初めて日本を訪れて岸田総理大臣との首脳会談に臨み、最大の懸案である「徴用」をめぐる問題で、韓国政府傘下の財団が日本企業に代わり支払いを行う解決策について、日本側の評価を取り付けたうえで、「シャトル外交」の再開をはじめ安全保障や経済、人的交流など幅広い分野での協力強化を進めることで一致しました。
ユン大統領は共同記者会見で、未来志向の関係構築をうたった1998年の「日韓共同宣言」を引き合いに出して、「宣言の精神を発展的に継承して不幸な歴史を克服し、新たな協力の時代を開く第一歩になった」と強調しました。
また、日本が韓国向けの輸出管理を厳しくしていた措置を解除し、韓国もWTO=世界貿易機関への提訴を取り下げると発表したことや、前の政権が一時破棄を通告した日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、みずからが正常化を宣言したことに言及するなど、大きな成果があったと受け止めています。
ただ、韓国国内では「徴用」をめぐる問題の解決策への反発がくすぶっており、そうした中でユン政権は、日本との関係改善の流れを確かなものにできるのかが問われることになります。
アメリカ「日韓の永続的な関係発展へ引き続き支援」
また、日本と韓国の協力強化はアメリカも含めた3か国の関係強化につながるとしたうえで、3か国の連携がインド太平洋地域をより安全で安心、豊かなものにするために重要だと改めて強調しました。
さらに、北朝鮮が16日、長距離弾道ミサイルを発射したことに触れ「韓国と日本の防衛に対するアメリカの関与に揺るぎはなく、引き続き3か国の関係を強化し、高めていく」と述べました。
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