【カイロ=佐藤貴生】就任後初めてイスラエルを訪問したバイデン米大統領は14日、エルサレムでラピド首相と会談した。両者は会談後、イランの核保有を決して許さず、米国がイスラエルの防衛能力強化に関与し続けることを盛り込んだ「エルサレム共同宣言」を発表した。
ホワイトハウスによると、米大統領のイスラエル訪問は約5年ぶり。宣言にはロシアが侵攻したウクライナの主権と領土保全に関し、米イスラエルが関与を続けるとの一文も盛り込まれた。
会談後の共同記者会見でバイデン氏は、2015年のイラン核合意の修復を目指す米イラン間接協議が膠着(こうちゃく)していることに関し、「返答を永久に待つわけではない」と述べてイランに警告した。
バイデン氏は13日、地元メディアのインタビューで、トランプ前米政権が離脱した核合意に復帰する意向を改めて表明。イランに対する武力行使を「最後の手段」だと位置づけた。
これに対しラピド氏は14日の会見で、武力行使の選択肢は「常にテーブルに置いておくべきだ」と述べ、米国との温度差を示した。
ラピド氏はまた、バイデン氏が15日からサウジアラビアを訪れるのを前に、科学技術を含めて「協力する用意がある」とアラブ諸国にメッセージを送った。
バイデン氏はサウジでアラブ諸国の首脳と会談し、イスラエルとの関係強化を求める見通し。双方の連携を固めてイランへの圧力を強化する狙いがある。
サウジは隣国イエメンの親イラン勢力によるミサイルやドローン(無人機)攻撃に悩まされており、国交がないイスラエルとの関係を水面下で深める可能性もある。ただ、イスラム教の聖地を擁し、スンニ派世界に大きな影響力を持つサウジは、パレスチナ問題の棚上げを意味するイスラエルへの過度の接近には慎重な姿勢を示している。
パレスチナ問題にはバイデン氏も会見で言及し、パレスチナ独立国家建設によるイスラエルとの「2国家共存」案が「最適な解決策」だと述べて支持を表明した。バイデン氏は15日、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談する。
バイデン、ラピド両氏は14日、インドのモディ首相、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領を交え、「I2U2」と呼ばれる枠組みでのオンライン会合を初めて実施した。食糧安全保障などで協力を深めるとみられる。
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