水産庁は23日、北海道沖でのサケとマスの漁獲量などを決める日本とロシアの漁業交渉が妥結したと発表した。日本の漁業者がロシア側に支払う協力金の見込み額は2億~3億13万円に決まり、昨年よりも6000万円引き下げた。漁獲量は同水準を維持した。日本が経済制裁を強めるなかでの異例の交渉だったが、まとまった。
協議は11~22日深夜までオンライン形式で実施した。25日に実施する予定の署名を経て、交渉は正式に妥結する。例年は漁獲量などの操業条件の交渉を経て10日に解禁しているが、ウクライナへの侵攻の影響で交渉の開始が遅れた。
例年は数日で妥結していたが長引いていた。水産庁の担当者は「日本側の漁業者の漁獲量が低迷していたため、漁業協力費の引き下げで粘り強く交渉した」と説明した。
漁獲可能量の上限は昨年と同様の2050㌧に決まった。昨年の漁獲実績は600㌧で、実際に支払ったのは2億6000万円だった。漁獲量は低迷傾向にあり、今年の支払額も2億円ほどになるとみられる。
協力金の支払いはロシアの外貨取得につながるとの指摘も出ていた。水産庁の担当者は「資源の保存管理の協力の一環で支払うもので、問題があるとは考えていない」と述べた。ロシア側に支払われる協力金は研究費などに使われるため、軍事費などに使われる恐れはないという。
日本国内での必要な手続きや漁業者の準備を経て、5月初旬には出漁できようになる。ロシア水域の交渉に関しては、漁が最も盛んになる6月に向けて引き続き日程を調整しているという。
からの記事と詳細 ( 日ロサケ・マス交渉が妥結 漁業協力金は引き下げ(写真=共同) - 日本経済新聞 )
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