【シリコンバレー=奥平和行】日本政府が米カリフォルニア州と気候変動対策などの分野で協力を拡大する。両者が21日、連携する分野を広げることで合意して覚書を更新した。新たに水素の利用拡大や水資源の保全を協力の対象分野として盛り込み、経済規模が全米最大のカリフォルニア州で関連企業の事業拡大を後押しする。
冨田浩司駐米大使とニューサム・カリフォルニア州知事が21日、覚書に署名した。期間は4年とした。日本政府とカリフォルニア州は2014年に気候変動対策や貿易・投資などで協力を深めることを目指して覚書を交わしており、今回が2回目の更新となる。
覚書には運輸や発電といった分野で水素の利用を増やすことや、水資源の保全・管理といった分野で協力することを加えた。また、日本が50年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロとする目標を掲げたことをカリフォルニア州が歓迎する内容を盛り込んだ。
水素では大気汚染が悪化しているロサンゼルス港で、豊田通商などが燃料電池の活用に向けた検討を進めた実績がある。カリフォルニア州では夏季の渇水も深刻になっており、横河電機がロサンゼルス市郊外で下水再利用システムの事業化の可能性を探っている。
日本政府とカリフォルニア州は人材育成に関する情報や経験の共有、シンポジウムやセミナー、展示会の開催などを通じてこうした動きを加速したい考えだ。覚書に基づいて新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが14年から気候変動対策の分野で協力拡大に向けた事業に取り組み、起業家の交流事業も進めてきた。
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