第71期ALSOK杯王将戦7番勝負(主催・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)第2局を制し、連勝発進した藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖との4冠=が一夜明けた24日、舞台となった大阪府高槻市で恒例「勝者の記念撮影」に臨んだ。渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=との将棋を振り返るとともに、2021年度の10カ月を総括。3月末から4月上旬にかけて発表になる第49回将棋大賞では最優秀棋士賞、名局賞などで連覇に期待がかかる。
藤井が白旗を揚げた。「勝者の記念撮影」で訪れた今城塚古墳公園。高槻市のゆるキャラ「はにたん」と指した駒落ち戦は、王に歩9枚のみの藤井に対し、はにたんは持ち駒に飛車角金銀。藤井陣に持ち駒を並べれば詰ますことは簡単なのに、ノーマルに▲2六歩と突いてきた。「参ったな。余裕が凄かった」と苦笑いした。
静岡県掛川市での第1局は、天竜浜名湖鉄道の駅員に扮した「勝者の記念写真」。第2局2日目の前夜は大阪・道頓堀にあった飲食店「くいだおれ」の看板人形「くいだおれ太郎」だった。無我の境地で乗り切ると、この日はスーツ姿でコスプレはなし。「一転、和やかだった」と笑顔で話した。
今年度も残り2カ月あまり。年度末に決まる将棋大賞の行方が注目される季節を迎えた。昨年度、最年少タイトル挑戦と奪取をかなえ、最優秀棋士賞を初受賞したばかりでなく、渡辺との棋聖戦第1局で名局賞などを受賞した。
2冠から4冠へタイトルを増やし、2年連続の最優秀棋士賞、名局賞も期待される今年度。棋士らからは、早くも掛川での第1局が「今年度の名局賞」と絶賛の声が上がっている。
藤井はこの10カ月をどう見るのか。「自分が選ぶわけではないので」。そうことわりながら、48勝12敗の全60局から手応えのある将棋として挙げたのが、タイトル戦ではない王将戦挑戦者決定リーグの2局。昨年11月の豊島将之九段戦と羽生善治九段戦だった。
「珍しい技の掛け合いで▲5九王の後も激しい手順になった」という豊島戦に続いて、羽生戦については「こちらの王の囲いが薄くて、終盤まで際どい将棋。その中で踏み込んでいけた」と振り返る。特に▲5九王は、剣士が切っ先で身をかわすような絶妙の間合い。「達人技ですね」と棋士らも称えた。
今年度最後のタイトル戦となる王将戦は最大5局、最少2局。自薦の2局を超える将棋が現れるのか、興味は尽きない。
▽将棋大賞 各年度、功績があった棋士らを日本将棋連盟が表彰する。最優秀棋士賞や勝率第1位賞、最多勝利賞などの記録部門、また優れた対局を選考する名局賞、斬新な戦法や指し手に対して贈られる升田幸三賞などに分かれる。1974年以来続き、今年度で49回目。
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