
政府は、温室効果ガスの削減量取引の拡大に向けた取り組みを盛り込み、途上国と共に策定する「共同協力計画」の対象国の拡大に乗り出す。策定済みのベトナムに続き、東南アジア諸国に広げ、将来的にはアフリカ諸国との策定も視野に入れる。世界の脱炭素の流れを主導する狙いがある。
対象となるのは、日本と「2国間クレジット制度(JCM)」を締結している国だ。JCMを結ぶと、日本政府や民間企業が脱炭素に向けて太陽光発電や風力発電の導入などの技術を提供した場合に、削減量の一部を日本分として算入できる。
日本政府は現在、アジア、アフリカ、中南米などの17か国とJCMを締結し、運用している。このうち、ベトナムとは昨年11月、「気候変動に関する共同協力計画」を取り交わした。脱炭素技術が普及していない国も多いため、技術支援や削減目標を盛り込んだ「共同協力計画」を策定する国を増やし、協力に実効性を持たせたい考えだ。
途上国では、現状排出される温室効果ガスや将来の推計量の把握が困難な国も多い。そのため計画には、温暖化ガスの将来排出量を予測するシステムの輸出や、脱炭素に向けた国ごとの国家戦略作りへの支援を明記する見通し。定期的に削減目標の進展を確認する合同作業部会の設置なども盛り込む方向だ。
当面は、東南アジアでの影響力を拡大させる中国への対抗も念頭に、インドネシアやタイとの計画策定を優先させる方針だ。将来的には、アフリカでJCMを結ぶケニアやエチオピアなどとの計画作りも目指す。
政府は、温室効果ガスの排出量を2030年度までに13年度比で46%削減する目標を掲げている。JCMを通じて1億トンを削減することを織り込む。1億トンは日本の19年度排出量の約8%に相当する。だが、現状は約1920万トンの削減しか見通せていない。協力計画の対象国を広げ、削減目標の着実な進展につなげたい考えだ。環境省幹部は「JCM締結国や協力計画の対象国を増やし、世界的な脱炭素の流れに貢献したい」と意気込む。
◆ 2国間クレジット制度 =Joint Crediting Mechanism。2013年に日本が途上国との間で独自に始めた温室効果ガスの削減量取引制度。昨年11月に英国で開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、JCMによる削減量取引が国際的に認められた。
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