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Sunday, October 24, 2021

【菊花賞】“アッ逃”言わせた5馬身差!横山武タイトルホルダー会心V - サンケイスポーツ

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タイトルホルダーが念願のGI初勝利。横山武騎手は見覚えのある!? ポーズを決めた(撮影・安部光翁)

タイトルホルダーが念願のGI初勝利。横山武騎手は見覚えのある!? ポーズを決めた(撮影・安部光翁)【拡大】

 クラシック最終戦の菊花賞が24日、阪神競馬場で18頭によって争われ、横山武騎乗で4番人気のタイトルホルダーがGI初勝利。1998年のセイウンスカイ以来の逃げ切りで、8月に天へ旅立った2冠馬父ドゥラメンテにGI初タイトルをもたらした。2着は3番人気のオーソクレース、3着は牝馬で6番人気のディヴァインラヴ。1番人気のレッドジェネシスは13着だった。

 ライバルたちがもがき苦しむなか、余裕すら感じさせる逃げ切りだった。タイトルホルダーがラスト1冠で、欲していたGI勝利をつかんだ。会心のレースに横山武騎手は目尻を下げた。

 「前走がひどい競馬だったので、そのぶんのリベンジといいますか、より一層勝ちたいという思いがあったので、良かったです」

 (3)番枠から発馬を決めてハナを主張。最内のワールドリバイバルがついてきたが、譲らない。ペースを落とさずに前半1000メートル通過は60秒ちょうど。続く1000メートルを65秒4で運んで息を入れ、勝負どころでスパートしてもうひと伸び。後続に5馬身差をつける快逃劇で、皐月賞2着、日本ダービー6着の悔しさを3冠目で晴らした。

 1番人気の前走セントライト記念は好位に控え、直線でスムーズさを欠いて13着。名誉挽回を期した大一番には、明確なVイメージがあった。セイウンスカイが父・典弘騎手の手綱で逃げ切った1998年の菊花賞だ。「映像は何回も見ていました。スローに落とすぐらいだったら、セイウンスカイのように淡々と刻む競馬の方がいい。時代は少し違うが、参考のひとつにしていました」。菊の舞台ではそれ以来の逃げ切りを決め、ゴール後は父と同じように、左手人差し指を天に差すポーズを披露した。

 今年は京都競馬場が改修工事中のため、79年以来42年ぶりの阪神競馬場での開催。内回りコースで直線が短く、急坂を2回越えるため、先行力と持久力が例年以上に求められた。その2つを兼ね備えた相棒の持ち味を存分に引き出す戦法で、皐月賞(エフフォーリア)に続くクラシック2冠も達成した。

 栗田調教師にとっては開業11年目で待望のJRA・GI勝利。「(母メーヴェは)父(義父の栗田博憲元調教師)の厩舎にいた牝馬で、オーナーと一緒に競りで見て。父からの贈り物なのかなという思いがあって、こみあげてくるものがあります」とかみしめた。次走は未定だが、今後は年長勢との戦いになる。トレーナーは「厩舎一丸となっていい結果を出せるようにやっていきたい」と力強く結んだ。

 2冠馬の亡き父ドゥラメンテの血を受け継いだタイトルホルダー。菊花賞馬の称号を背負い、さらなる勲章を取りにいく。 (増本隆一朗)

 ■タイトルホルダー 父ドゥラメンテ、母メーヴェ、母の父モティヴェイター。鹿毛の牡3歳。美浦・栗田徹厩舎所属。北海道新ひだか町・岡田スタツドの生産馬。馬主は山田弘氏。戦績8戦3勝。獲得賞金2億8745万9000円。重賞は2021年GII弥生賞ディープインパクト記念に次いで2勝目。菊花賞は栗田徹調教師、横山武史騎手ともに初勝利。馬名は「選手権保持者。父、母父、二代母父がダービー馬なので」。

 ◆1998年にセイウンスカイで逃げ切った父の横山典弘騎手 「父親として良かった。おめでとう。(自身のレースと似ていると)いろんな人にいわれるけど、馬も場所も違うからね」

 ◆横山武史騎手…初騎乗で初制覇。JRA・GIは皐月賞(エフフォーリア)に続く今年2勝目で通算も2勝目。複数の馬で同一年のクラシック2勝以上は2019年ルメール騎手(皐月賞サートゥルナーリア、桜花賞グランアレグリア)以来2年ぶり21回目。複数の牡馬で同一年クラシックVは、1961年の野平好男元騎手以来、60年ぶり2回目。

 ◆騎手の親子制覇…横山武史騎手の父・典弘騎手は98年にセイウンスカイで勝利。武邦彦(73年タケホープなど3勝)&豊(88年スーパークリークなど5勝)&幸四郎(06年ソングオブウインド)、福永洋一(71年ニホンピロムーテー)&祐一(13年エピファネイアなど2勝)以来、史上4組目の親子制覇。

 ◆栗田徹調教師…管理馬初出走で初勝利。JRA・GIは延べ12頭目の出走で初勝利。JRA重賞は本馬による弥生賞ディープインパクト記念に続く今年2勝目、通算4勝目。

 ◆父子3代クラシック制覇…祖父キングカメハメハ(04年ダービー)、父ドゥラメンテ(15年皐月賞、ダービー)がクラシックを制しており、史上初の父子3代クラシック制覇。

 ◆5世代連続でのGI級制覇…本馬は4代母ダイナカール(83年オークス)、3代母エアグルーヴ(96年オークスなど)、祖母アドマイヤグルーヴ(03年エリザベス女王杯など)、父ドゥラメンテ(15年ダービーなど)で、史上初の親子5代JRA・GI級制覇となった。

 ◆岡田スタツド…生産馬2頭目の出走で初勝利。前回は19年(メロディーレーン)の5着。JRA・GIは16年チャンピオンズC以来で、通算3勝目。

 ◆売り上げ、入場者数…菊花賞の売り上げは175億406万8700円。前年比82・4%の大幅減となった。入場人員は4798人(うち有料入場4286人)だった。

★24日阪神11R「菊花賞」の着順&払戻金はこちら

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