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Saturday, June 26, 2021

都議選 都民ファースト焦りの色 立共選挙協力 公明は自民と 小池氏支援は見通せず - SankeiBiz

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 次期衆院選の前哨戦となる今回の東京都議選は、国政与党の自民党と公明党が5年ぶりに選挙協力を復活させた。衆院選での連携にも万全を期す構えで、菅義偉(すが・よしひで)政権に対する批判票の取り込みを狙う立憲民主党と共産党も候補者の一本化を進めた。対する地域政党「都民ファーストの会」は前回、小池百合子知事が巻き起こした「小池旋風」に乗り、都議会第1党に躍り出たものの、今回は小池氏の支援が見通せず、焦りを募らせる。

 「今回の選挙戦は市民と野党の共闘が深化した戦いだ。どうか支援の輪を広げてほしい」

 都議選が告示された25日、墨田区内の街頭で共産新人の応援弁士としてマイクを握ったのは、次期衆院選で同区を含む東京14区から出馬を予定する立民の元衆院議員の男性だった。男性は共産新人への支持を訴えると、集まった有権者らに頭を下げて回った。

 都議選の墨田区選挙区(定数3)では共産のほか、自公や都民ファなどが候補を擁立したが、立民は見送った。「立共」の共闘が自公への不満の受け皿となることで、議席が近づくと踏むからだ。

 もちろん、数カ月以内に迫る衆院選をにらんだ判断でもある。当初、衆院東京14区で出馬の準備を進めていた共産新人が今年3月、都議選の候補に回ったのは「阿吽(あうん)の呼吸」(共産関係者)とされ、立民側は「都議選で応援してくれれば、衆院選でお返ししますよということ」(都連幹部)と受け止めている。

 表立った共産との連携は、立民の最大の支持団体「連合」の反発を招きかねないが、立民関係者は「都内では連合よりも共産の組織票のほうが期待できる」と心中を明かす。今回、定数が1~3人の選挙区の大半で候補者の一本化が進んだのはそのためだ。

 4年前、自民との対決姿勢を鮮明にした小池氏が都民ファの代表として選挙戦の先頭に立ち、都民ファが安倍晋三政権(当時)への批判票を一手に取り込んだ。だが、今回は現政権への不満を抱える支持者が立民や共産に流れるとの指摘もある。

 前回都議選で都民ファと連携した公明は今回、自民との選挙協力に戻った。公明候補が立たない選挙区では、支持母体である創価学会を中心にした強固な組織票が自民候補に回ることになり、都民ファにとってはこれも脅威となる。

 都民ファは同党特別顧問を務める小池氏の全面支援求めてきたが、小池氏は記者会見で「改革を続ける方々にエールを送っていきたい」と繰り返し、態度を明確にしてこなかった。そのまま22日には、過度の疲労から静養に入り、応援の見通しは立っていない。

 小池氏にとって、都議選で自民が巻き返す可能性を考えれば、都民ファへの全面的な肩入れは得策ではない。都民ファ幹部は「今回も応援してもらえる」と小池氏の復帰後の支援に期待をつなぐが、自民都連関係者は「選挙戦で『風』がどう吹くのかを見極めているのだろう」と突き放した。

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