春の短距離王を決める高松宮記念が28日、中京競馬場で18頭によって争われ、川田騎乗で2番人気のダノンスマッシュが中団から差し切って国内GI初制覇。父ロードカナロアとの親子制覇で、昨年の香港スプリントに続きGI連勝を飾った。1番人気のレシステンシアが2着、3番人気のインディチャンプが3着だった。
春の嵐が呼んだ結末は、スプリント界の新王者誕生だった。人馬ともに泥だらけの姿が激戦の証し。川田騎手の懸命な叱咤(しった)に応え、ダノンスマッシュが1着でゴール。国内GI初制覇に導いた名手が力強くうなずいた。
「昨年末、香港でGIを勝ちましたけど、国内で勝つことができていなかったので、国内でタイトルを重ねることができて良かったと思います」
昼過ぎから降り出した雨で重馬場の中、中団をリズムよく追走。直線で前があくとグングンと加速し、1番人気レシステンシアとの激しい競り合いをクビ差で制した。
「(雨や馬場は)とても大きなポイントになるところだったので、あえて何も考えず、馬の走りたいように走ってこようと選択しました」
自身にとっても史上9人目のJRA重賞100勝を師匠である安田隆調教師の管理馬で、そしてGIの大舞台で成し遂げた。昨年のホープフルS(ダノンザキッド)に続く、“師弟コンビ”での勝利。「GIという大きな舞台、そして師匠である安田先生、お世話になっているダノックスの馬で迎えられたことがとても感慨深いです」と川田騎手。安田隆調教師も「ナイスプレーでした」と賛辞を惜しまなかった。
同馬の父ロードカナロアも安田隆調教師が管理し、2013年のこのレースを制覇。父子制覇に「(カナロアは)やっぱり素晴らしい馬だったんだな、と」とトレーナーは目を細める。前日には同産駒の僚馬レッドルゼルがドバイゴールデンシャヒーンで2着に好走。相次ぐ“愛息”たちの頑張りに「カナロアには感謝してもしきれません」と指揮官の喜びもひとしおだ。
香港のチェアマンズスプリントプライズ(4月25日、シャティン、GI、芝1200メートル)に登録済み。「馬の状態をみながら、良ければ行きたいですし、疲れが残るようならリフレッシュに入ってもいいと思います」とトレーナーは語る。国内外の短距離界を制圧し、父の足跡をたどるダノンスマッシュ。これからも、短距離王として君臨し続ける。(山口大輝)
高松宮記念初勝利で、GI通算7勝目を飾った(株)ダノックスの野田順弘オーナー(82)は、「おかげさまで騎手や調教師や助手さんなど多くの関係者の皆さまのお世話になって勝てたと思います。夢と希望を持って、愛馬が継続して努力したおかげです。馬のロマンを改めて感じて感激です」と喜びを語った。
■ダノンスマッシュ 父ロードカナロア、母スピニングワイルドキャット、母の父ハードスパン。鹿毛の牡6歳。栗東・安田隆行厩舎所属。北海道新ひだか町・ケイアイファームの生産馬。馬主は(株)ダノックス。戦績23戦11勝(うち海外2戦1勝)。獲得賞金7億5914万8300円(うち海外1億7479万5300円)。重賞は2018年GIII京阪杯、19年GIIIシルクロードS、GIIIキーンランドC、20年GIII夕刊フジ賞オーシャンS、GII京王杯SC、GII産経賞セントウルS、GI香港スプリントに次いで8勝目。高松宮記念は安田隆行調教師が12年カレンチャン、13年ロードカナロアに次いで3勝目。川田将雅騎手は18年ファインニードルに次いで2勝目。馬名は「冠名+打ち砕く。相手を打ち砕く強烈な走りを期待して」。
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