毎年行っている今春入社を控えた新社会人(学生)を対象とした『理想の上司』(明治安田生命調べ)ランキングで5連覇を達成し、ついに春からは単独司会として番組の中心に立つ。この日は『ZIP!』のポスター撮影が行われ、その間にはスタッフと積極的にコミュニケーション。「ちょっと上だけ替えてきますね!」と自ら小走りになって衣装チェンジを急いだり、談笑する姿がみられた。インタビュー前もソーシャルディスタンスを気にしながら「机、使ってくださいね」と声をかけてくれるなど気遣いを忘れない。
“大先輩”である桝太一アナウンサーが10年間務めてきた『ZIP!』のバトンを引き継ぐことに「プレッシャーしか無いです、アハハハ!」と笑い飛ばす。「初めて聞いた時のうれしいから、だんだん『大丈夫かな?』に変わって今は半々。新しいチャレンジができることはうれしいですし、『スッキリ』も生放送ではありましたが、小さいときから学校に行く前にテレビを見ることが習慣で、それがアナウンサーを志した原点であり入社時からの夢。その時間帯に番組を持つことは改めて思うところがありました」と感慨深げだ。
担当する番組はどんどん時間が早まり、ついに毎朝2時に起床することに。「『大変だね』と心配してくださる方はたくさんいます。でも楽しむしかない。他の人と時差のある生活はレアで、『これは面白い』と思って生きていったほうがいい。私はそういうことを面白いと思ってしまうタイプなんです。毎朝2時に起きるなんて面白い、人生で体験できることはないです(笑)。あとは朝8時以降(時間が)空くので、逆に1日長いと思って楽しめる。“面白い”と思ってやっていきます」とあっけらかんと語る。。
そんな“ポジティブ変換”が常にできるように見える水卜アナだが、SNSでのエゴサ―チなどは「基本的に凹むのでしないです…ニュースなど、見えるものは見ますが、強めに受け止めてしまうタイプなんです」と意外な一面も。「しばらく立ち直れないので、加藤さんからは『意見は大事だけど、自分の芯、思いがしっかりあれば、嘘や根拠のない噂にも必要以上に傷つかない』と言われたので、周りの意見は大切ですが、受け止めつつも自分を大切にしたい」とポリシーを守っている。
そんな助言を授けてくれた加藤や、『ヒルナンデス!』MCの南原清隆など「日本を代表する司会者の横でやらせていただいてきて、いざ自分が真ん中にたった時、私が今まで隣にいらした方たちがどれだけすごいのか改めて感じて恐怖に震えています(笑)」と重圧も感じつつ、「でもその経験は“超絶強み”。南原さんは後ろから、みんなが楽しそうにしているのをニコニコ見守りながら、気づくと私のことを全部わかってくださっている。加藤さんはどちらかといえばみんなを前に立って守ってくれる。全然違うけど二人の横にいられたことは幸せだし、だからこそ、『私ができることってなんなんだろう』と模索している感じです」。
番組もまだ開始前とあって、まだ自分の方向性は確立できていないという。「恥ずかしながら、まだブレてる部分はあると思います。4月の初日でいきなり私の目指すべき理想像を体現するのはやっぱり難しいかもしれません。もちろん自分のなかで考えたりこうありたいと思ったりするものはありますが、やってみて、見てくださる人も『違わない?』と思うこともあると思うので、変に肩を回しすぎたな、とか、みなさまの声に向き合って修正しながら変わっていけたら」と展望した。
■休日もアナウンス部とオンライン通話 強すぎる“日テレ愛”
2010年に入社して今年でアナウンサー歴11年目。同世代のアナウンサーたちがフリーランスに転向し、女優として活動する人もいるが、憧れはあるかと聞くと「私はまったく願望はないけれど新しいチャレンジはものすごくかっこいい、と思います。そういう意味では憧れますね。私ももしかしたら急に違うチャレンジがしたくなるかもしれませんし、できることの可能性は広くあると思っていたいです。でも今、私は局アナとしてやり遂げたいことがあるので、今そこ(フリー)への気持ちはないですね」と言い切る。
「私の性格が特殊なのかもしれないのですが、アナウンス部自体が仲良いとか楽しいとか、モチベーションはそこなんです。土日に誰ともしゃべってないと、後輩に『誰かしゃべってくれませんか』と連絡します。それでオンラインでつないでゲームしたりして『水卜さんって本当に暇ですよね』と言われたり(笑)。『きょうもありがとう』と言える気の合う仲間がありがたいことにたまたま部にいた、というのもあるし、そういう部であることが自分のモチベーションでもある。辞めてモチベーションがあれば、退社するのかもしれないんです(笑)。今のところはまったくない。うちの会社、いい会社なんですよ」と強い日テレ愛をにじませる。
「“チーム”みたいなつながりがすきなんです。めんどくさいヤツだと思われてるかもしれないけど(笑)。『スッキリ』では森圭介アナウンサーと一緒でしたが『ヒルナンデス!』はアナウンサーがほぼ私だけだったので、さらに今回はよりたくさん、先輩・後輩がいる番組なのでそこにもとてもわくわくしている自分がいます。楽しみだなと。ある種、身内ではないですけど、どんな感じなんだろう。先輩・後輩のことを知りたいし、みんながいい形で自分らしく仕事ができる番組になればいいな、と思います」。
多くの人に囲まれ、仕事を心から楽しんでいる水卜アナ。居心地良い空気を作るための心がけを聞くと、「まずは前提として人に恵まれているな、と思います。本当に好きなんです、番組のメンバーが。節目節目に未だに南原さんには会いに行くし、心から関わった人のことが好きだし、好きになりたいと思って新しいチームに入ります。次、私は『ZIP!』のメンバーを心から愛そう、と思っています(笑)。なにかあれば、助けたいし、助けてもらえたらうれしい」。
「『スッキリ』も『ヒルナンデス!』も、そうですが雰囲気の良さやファミリー感は観ている人に伝わると思っています。加藤さんや南原さんがしてくれたように、今度は私がチームの良い雰囲気づくりに貢献できるようになれたらいいな、と思います」。水卜アナのスマイルには思わずこちらでも笑顔になってしまう力がある。そんな笑顔の連鎖を起こす水卜アナの新生『ZIP!』は、目まぐるしく変わっていく環境にいる私たちに変わらない安心を与えてくれそうだ。
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