学校生活で一番の楽しみは、修学旅行という人もいるかもしれません。今年は新型コロナウイルスの影響で、延期や中止の選択をする学校もありました。そもそも、修学旅行はなんのためにあるのでしょうか。この機会に考えてみませんか。(長田真由美)
◆学校生活の集大成 社会での力、試す機会
日本修学旅行協会(東京)によると、修学旅行の始まりは明治時代。教員を育てる東京師範学校が一八八六年、東京から千葉県の銚子まで「遠足」したことだった。遠足では、野外での軍事訓練や史跡の見学などをしていた。
現在の修学旅行は一九五八年に国が小中学校の正式な教育内容に位置づけ、全国で開始。ねらいは、普段と違う環境で、経験や知識を広めること、自然や文化に親しむこと、集団生活でより良い人間関係を築くことなど。学校が予算や距離を考え、目的や行き先を決めている。
二〇一八年度の中学校の行き先では京都や奈良、東京がベスト3=イラスト参照。東京ディズニーランドのある千葉や、平和学習のできる沖縄、広島、長崎も人気だ。
「学校生活の集大成」。より良い修学旅行の在り方を研究する「東海三県中学校修学旅行委員会」会長で、愛知県長久手市長久手中学校の鵜飼洋一校長(59)は力を込める。
事前学習で行き先の歴史や文化を学び、自分たちで班別行動の計画を立てる。仲間や教員、旅先で出会うさまざまな人との関わりは、普段の生活では得られない経験になる。「家族旅行とは違う。時間や健康管理も自分の責任。社会でこれからやっていけるか、総合力が試される機会」と話す。
長久手中学校では今年、新型コロナの感染リスクを減らすため、行き先を東京から金沢へと変えた。「修学旅行は一生もの。教育上の効果があり、大事にしてあげたかった」と言う。
◆教育的要素が薄い 目的をもっと明確に
一方、名古屋市の小学校の非常勤講師で、育児雑誌の編集もしている岡崎勝さん(67)は「今は教育的な要素が薄く、本当に必要なのか」と疑問を投げかける。しっかり事前学習をしようとすると「十時間あっても足りない」。資料を読み解き、調べた内容を発表するなど学びが深まればよいが、授業時間も限られ、教員の力量にも左右されるという。
費用もかかる。名古屋市の場合、小学校は一泊二日で一人につき二万九千円、中学校は二泊三日で、一人五万八千七百円がめど。家庭によっては負担が大きいという。
岡崎さんは「もっと目的を明確にした取り組みにするべきだ」と主張。例えば、自然と触れ合うキャンプや軽登山、仕事を体験するプログラムなど。「時代に合わせ、内容を見直しては」と話す。
意見送ってください 修学旅行の思い出や記事について、意見、感想を送ってください。紙面で紹介したお子さんの中から抽選で図書カードをプレゼント。応募は〒460 8511 中日新聞(東京新聞)生活部「学ぶ」係=ファクス052(222)5284、メールseikatu@chunichi.co.jp=へ。ここから、ワークシート兼応募用紙もダウンロードできます。17日締め切り。
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