
リーさんは自転車で欧州をめぐり、サハラ(Sahara)砂漠を越えて南下していた際、ギニア政府が新型ウイルス感染拡大抑えるために国境を封鎖した。
元客室乗務員というもじゃもじゃの長髪頭のリーさんは穏やかな笑顔を浮かべ、「ギニアにいる間に状況が本当に深刻化になった」と語った。
同国で足止めを食っているリーさんは、沿岸部に位置する同国の首都コナクリで、複数のホテルから繰り返し宿泊を拒否されたという。
新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への偏見による反応だと評するリーさんは電話インタビューで、「私がアジア人だから入れてくれなかった」と話し、7、8軒のホテルから断られたと説明。
「あれはかなりひどかった」「自分の人生で、これまで個人的に人種差別を経験したことがなかった、これが初めてだった」
豊富な天然資源に恵まれているにもかかわらず、貧困にあえぐギニアでは、脆弱(ぜいじゃく)な保健システムゆえにパンデミックに際して懸念が広がっている。
人口約1300万人を抱える同国は、アフリカで新型ウイルスの最も被害が大きい国の一つ。
リーさんは街の路上で、泊まる場所はないかと尋ね回ってみたが、金をだまし取られただけだった。ひと月50ユーロ(約5800円)で居候させてもらう約束をある男と交わしたが、男は金を受け取ると姿をくらましたという。
泊まる場所もなく、貯金を切り崩して暮らすリーさんは、高級ホテルで部屋を見つけたが、長期間滞在する余裕はなかった。
■人種差別にも動じず
リーさんがフェイスブック(Facebook)で助けを求めると、あるゲストハウスを紹介され、彼を泊めてくれることになった。リーさんはここに数か月滞在することになるだろうと考えている。
「ショックではなかった」と話すリーさんは動じることなく、コナクリには良い人が大勢いると話し、世界一周旅行ではもっと深刻な問題が降り掛かかっていたかもしれないと語った。
また、彼のような自転車で世界をめぐる旅人たちに言及し、「私たちはたくさんの想定外の物事を想定している」と説明。
今回の窮地は、旅の途上で現実に起こり得る、交通事故や深刻な病気などに比べればましな方だとも話した。
2018年3月にニュージーランドで旅を始めたリーさんは、ユーチューブ(YouTube)上で日々をつづった動画の投稿を開始。働いて貯金するためにオーストラリアへ渡った後は、欧州へと向かった。
いつでもどこでも好きな場所で立ち止まることができる「自転車の旅は全世界を旅行するのに最適な方法だ」とリーさんは語る。
イタリアやスペインで悪戦苦闘しながら山々を越えた後、モロッコへと進み、広大なサハラ砂漠に足を踏み入れた。
だが過酷な環境にもかかわらず、自転車の旅はスムーズだったという。
「砂漠の真ん中では、何日間、何週間、何か月にもわたって、果てしない地平線以外に何もない」
現在、リーさんはコナクリのゲストハウスでのんびりと過ごしており、読書をしたり、テレビ番組などを観ているという。
だが制限が解除されれば、コートジボワールに向かって旅を続ける予定だ。そこからは1年以上をかけ、南アフリカを目指すかもしれないという。
リーさんは「自分がやれると思う限り、できるだけ多くの国を回りたい」「2年間旅をしてきたが、十分だとは思っていない」と話した。
【翻訳編集】AFPBB News
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