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日経ビジネスの取材に対し、2019年時点で「2020年にも未曾有の危機が到来する」と予言していた世界的な投資家のジム・ロジャーズ氏。5月25日に日経BPから出版した新刊『危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』では、大恐慌からリーマン・ショック、ブラックマンデー、新型コロナウイルスまで歴史を振り返りつつ、繰り返される危機の本質とどのように行動すべきかを詳細に読み解いている。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で2020年3月中旬に掲載したインタビュー記事「ジム・ロジャーズ 新型コロナは危機の序章、本番はこれからだ」に続き、5月19日に同氏を再取材した。
人類は歴史を通じて、何度も感染症と戦ってきた。その都度、医療・技術のイノベーションにより克服し、それが時に政治にも影響してきた。3回に分けてお届けするインタビュー記事の最終回ではロジャーズ氏に、新型コロナウイルスが社会に与える影響をどう見ているかについて改めて聞いた。
(聞き手は広野彩子)
昨今よく話題に上るように、人類はペスト、スペイン風邪、インフルエンザ、コレラなど数々の感染症に襲われ、その都度大きな犠牲を払いながらもワクチンや予防接種、新たな医療機器などの開発を通じて困難を乗り越えてきた。現在も、新型コロナウイルスと戦うため、世界中の専門家らが日夜、ワクチン開発などの努力を続けている。
新型コロナウイルスは今後、どのようなイノベーションをもたらすのか、生活は元通りに戻るのだろうか。また、日本は緊急事態宣言が解除されたものの、今も多くの国で、外出自粛や人と人が接触しないソーシャルディスタンス(社会的な距離)などが求められ、不自由な暮らしを強いられている。ロジャーズ氏はコロナ後の世界と投資チャンスをどう捉えているのか。
ワクチンに投資せよ
「もしお金を儲けたいなら、ワクチンを早急に開発することに尽きるだろう。とにかくワクチンが必要だ。治療薬ももちろん必要だが、世界全体が必要としているのはワクチンだ。治療薬よりはるかに儲かる」
「もちろんワクチンが開発されても、必ずしもウイルスが消滅することを意味するわけではない。治療薬もしばらくの間は儲かるだろう。しかし、ワクチンが一番だ。医療機器については、その後だろう。何しろ、世界中の人が今、何が必要なのかを分かっている。人工呼吸器は素晴らしい。しかし、私はそうした機器のメーカーには投資しない。みんなが既に知っているからだ。足元の需要は高い。しかし、これ以上は高くならないだろう。やがて需要が低くなってくる。何よりもワクチンだ」
遠隔で仕事や学習ができるような機器や技術、仕組みも注目を浴びている。そのような新しい技術やサービスはどうだろうか。
「確かにしばらくは、そうしたものが流行るだろう。しかし、人間は忘れやすいものだ。のど元を過ぎれば熱さを忘れる。20年ほど前にSARS(重症急性呼吸器症候群)が蔓延したときも、人々は大変、怖がっていた。しかしほどなくして忘れた」
「感染症とその後の対応はいつもそんなものだ。今回も遅かれ早かれ、もとの行動様式に戻るだろう。間違いない。ひどい出来事があった後、人はしばらくの間はもちろん注意深く用心する。大型台風だってそうだ。飛行機事故だってそうだ。しかし、すべてが正常化すれば、みんなやがて忘れることだろう」
「人間とは忘れっぽいものだ。のど元過ぎれば熱さを忘れる」と指摘するジム・ロジャーズ氏(写真:的野 弘路)
教育機関が世界的に休校になる中で、オンライン教育が世界中で急速に広まるなど、新しい技術が導入される動きも加速している。そうした動きも、新型コロナが去れば元に戻るだろうか。
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June 01, 2020 at 03:08AM
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ジム・ロジャーズ 米中は協力し、世界を幸せにすべきだ - 日経ビジネス電子版
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