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Sunday, February 23, 2020

3連休初日の高山ひっそり 旅行、自粛ムード - 中日新聞

3連休初日、行き交う人が少ない岐阜県高山市の古い町並み。新型肺炎が拡大する前の週末は、人を避けながら人力車を引く光景も=22日午前(布藤哲矢撮影)

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 新型コロナウイルスの感染拡大で観光業が振るわない。三連休の初日の二十二日、中部地方屈指の観光地・岐阜県高山市の古い町並みを歩くと、人通りはまばら。中国人観光客が激減しただけでなく、日本人も観光を控えるようになってきた。二十一日には、感染が判明した千葉県在住の女性が、観光で高山を訪れていたことも判明。飛騨の小京都の憂いは、深まりつつある。

 「普段はあそこの道を避けるんだけど、きょうは人が少ないから大丈夫」

 記者とカメラマンを乗せた人力車を引く中村勝臣さん(54)が、古い町並みの一角に目をやる。視線の先には十人ほどの行列ができた牛にぎりずしの店。いつもの週末なら、店の前は食べ歩きをする人で混み合うがこの日は小雨だったこともあり、歩く人は少ない。中村さんによると、二月になって中国人の姿はほぼ消え、日本人観光客も例年の半分程度になったという。

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 地酒の試飲ができる酒蔵などには客が入っているが、客の姿がない店も。休日は入庫待ちの車が列をつくる駐車場はどこも「空」と表示されている。

 交差点で息子と昼食の相談をしていた愛知県東海市の会社員加古英樹さん(51)は「三連休なので店も混んでいると思ったけど、どこでも食べられそうですね」と話した。

 観光名所「高山陣屋」の朝市。リンゴを売る中坪弘子さん(68)は「感染が怖いのか、お客さんも最近は試食にあまり手を出さないようになった」と明かす。漬物を売る別の女性によると、朝市出店者の間ではこの日の朝、感染した人が高山を訪れていた話題で持ちきり。「新聞見た?」などと語りあったという。

 高山陣屋近くの飲食店は、三連休の売り上げを見込んで仕入れを増やしていた。店主(50)は「感染した人が高山に来ていたと分かって、あすからが大変。モノが売れなくなって、仕入れが『食品ロス』になっちゃう」と心配する。

 商店街に立つ旅館「本陣 平野屋」では、感染者の市内滞在判明を理由に、月内に予約が入っていた宴会がキャンセルになった。常務の千島途規(みちのり)さん(69)は「感染の問題がぐっと身近になってしまった。日本人客はもっと敏感になるだろうし、これから、どうなるか分からない」と話す。

 宮川沿いで観光客に自家製もちを販売する男性(54)は、国内を覆う「自粛ムード」を警戒する。「東日本大震災のときの空気と似てきた。風評が広がって、さらに観光客が来なくなるのが怖い」

 (細井卓也)

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