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Sunday, January 5, 2020

森法相「正当化される余地はない」、東京地検・次席検事「犯罪に当たり得る行為」…ゴーン被告逃亡 - 読売新聞

森法相「正当化される余地はない」、東京地検・次席検事「犯罪に当たり得る行為」…ゴーン被告逃亡 - 読売新聞

 会社法違反(特別背任)などで起訴された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が国外へ逃亡した事件で、森法相は5日、「保釈中の被告の逃亡が正当化される余地はない」とゴーン被告を批判するコメントを出した。東京地検の斎藤隆博・次席検事も同日、コメントを公表し、「日本の司法手続きを殊更に無視した、犯罪に当たり得る行為だ」と指摘した。

 森法相と斎藤次席検事のコメントの全文は以下の通り。

森法相のコメント全文

 昨年12月31日、保釈中のカルロス・ゴーン被告が、日本の刑事司法制度を批判するとともに、レバノンにいるとの声明を発表したとの報道がなされた。

 私は、法相として、この問題を覚知した後、速やかに、事実関係の把握を含め適切な対処に努めるよう関係当局に指示をした。

 事実関係については、現在も確認中であるが、ゴーン被告が日本を出国した旨の記録はないことが判明しており、何らかの不正な手段を用いて不法に出国したものと考えられ、このような事態に至ったことは誠に遺憾である。

 我が国の刑事司法制度は、個人の基本的人権を保障しつつ、事案の真相を明らかにするために適正な手続きを定めて適正に運用されており、保釈中の被告の逃亡が正当化される余地はない。

 既に、ゴーン被告に対する保釈が取り消され、また、国際刑事警察機構(ICPO)事務総局に対して我が国が要請した赤手配書が発行された。

 検察当局においても、関係機関と連携し、迅速に捜査を行い、ゴーン被告の逃亡の経緯などを明らかにするため全力を尽くし、適切に対処するものと承知している。

 引き続き、法務省としても、関係当局、関係国、国際機関と連携しつつ、我が国の刑事手続きが適正に行われるよう、できる限りの措置を講じてまいりたい。

 また、出入国在留管理庁に対し、関係省庁と連携して、出国時の手続きのより一層の厳格化を図るよう指示したところであり、同様の事態を招くことがないよう、今後とも必要な対応を行ってまいりたい。

斎藤次席検事のコメント全文

 今般、力ルロス・ゴーン被告が、保釈の指定条件として、逃げ隠れしてはならない、海外渡航をしてはならないと定められていたにもかかわらず、正規の手続きを経ないで出国し、逃亡したことは、我が国の司法手続きを殊更に無視したものであるとともに、犯罪に当たり得る行為であって、誠に遺憾である。

 我が国の憲法及び刑事訴訟法においては、例えば、容疑者の勾留は、厳格な司法審査を経て法定の期間に限って許されるなど、個人の基本的人権を保障しつつ、事案の真相を明らかにするために、適正な手続きが定められている。

 また、我が国においては、全ての被告に、公平な裁判所による迅速な公開裁判を受ける権利を保障しており、検察官によって有罪であることにつき合理的な疑いをいれない程度の立証がなされない限り、被告を有罪としてはならないこととされている。

 そして、検察においても、法廷において合理的な疑いを超えて立証できると判断した場合に限り、容疑者を起訴している。その結果として、我が国においては、有罪率が高くなってはいるものの、裁判所は、被告側にも十分な主張立証をさせた上で、独立した立場から、公判に提出された証拠に基づき、合理的な疑いを超えて有罪が立証されたかを厳密に判断しており、公正な裁判が行われていることに疑いはないと確信している。

 本件において、検察は、法に定められた適正手続きを厳格に履行し、ゴーン被告の権利を十分に保障しつつ、捜査・公判手続きを進めてきたものである。

 ゴーン被告は、豊富な資金力と多数の海外拠点を持ち、逃亡が容易であったこと、国内外で多様な人脈と大きな影響力を持ち、事件関係者などに働きかけ、証拠隠滅する現実的な危険性があったこと、裁判官、裁判所も保釈に関する決定中で認定しているとおり、当初の勾留期間中に妻などを介して事件関係者に対する働きかけを企図していたことから、公正かつ適正に刑事手続きを進める上で、ゴーン被告を勾留することは必要やむを得ないものであった。

 かかる事情が存在したにもかかわらず、ゴーン被告は、公判審理に向けた主張と証拠の整理を適切かつ円滑に行うためには、弁護人らとの間で十分な打合せの機会を設ける必要性が高いなどの理由で保釈を許可され、昨年4月25日に保釈された後は、弁護人らと自由に連絡し、公判準備を行うことが可能な状態にあったことに加え、検察は、公正かつ適正な刑事裁判を実現すべく、法に定められた手続きに基づき、ゴーン被告の弁護人に証拠を開示するなどの公判活動を行ってきており、被告の権利が十分に保障されていたことは明らかである。

 このような状況の下で、ゴーン被告が、必ず出頭するとの誓約を自ら破り、国外に逃亡したのは、我が国の裁判所による審判に服することを嫌い、自らの犯罪に対する刑罰から逃れようとしたというにすぎず、その行為が正当化される余地はない。

 検察においては、関係機関と連携して、迅速かつ適正に捜査を行い、ゴーン被告の逃亡の経緯などを明らかにし、適切に対処する所存である。

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2020-01-05 07:46:00Z
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