下請け業者から徴収した「安全協力費」の不適切流用が発覚した住宅リフォーム会社「フレッシュハウス」のホームページ(記者撮影)
損害保険大手SOMPOホールディングスの子会社で住宅リフォーム事業を手掛けるフレッシュハウス(横浜市、森田亮社長)が、下請け業者から徴収している「安全協力費」を自社の収益として計上し、不適切なかたちで流用していることがわかった。
安全協力費は工事における事故防止のための安全講習会費用などに充てるもので、下請け業者から工事代金の1%程度を会費として徴収することが、建設業界の一般的な慣行として根付いている。
SOMPOによると、フレッシュハウスが安全協力会を設置したのは2016年4月のこと。それ以前も安全意識の向上などを名目に下請け業者から会費を徴収していたが、2015年にSOMPOが買収したことを機に、収支の透明化を図るなどの目的で設置したという。
会費を負担している下請け業者は現在728社、年間の会費収入は平均で3100万円に上る。
内部告発文が今年7月に届いた
不適切流用が発覚したきっかけは今年7月、SOMPOの首脳陣宛てに届いた内部告発文だった。会費の収支報告が下請け各社になされておらず、使途が不明確という内容だったという。
SOMPO側が調査したところ、会費のおよそ半分が、講習会などの事故防止の取り組みとは関係のない、工事のやり直し費用や賠償金といった「クレーム関連費用」に充てられていることが判明した。
SOMPOが外部の弁護士に依頼し、さらに実態調査を進めたところ、安全協力会の理事を務める数社の下請け業者にしか会費の収支報告がなされておらず、さらに会費を管理する口座を分けずにフレッシュハウスの営業外収益として決算に計上していることもわかった。不適切な流用の総額は約1億4400万円にも上る。
加えて、会費徴収のため下請け業者に署名させている文書の文言が、意図的に修正されていることも、調査によって露見した。
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