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Thursday, March 31, 2022

ひもが上だけのマスク 下呂のサンリツ開発協力 高齢者ら「呼吸が楽」:中日新聞Web - 中日新聞

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下部が簡単にめくれる新タイプのマスクを着ける、サンリツの女性社員=岐阜県下呂市で

下部が簡単にめくれる新タイプのマスクを着ける、サンリツの女性社員=岐阜県下呂市で

  • 下部が簡単にめくれる新タイプのマスクを着ける、サンリツの女性社員=岐阜県下呂市で
  • 下部にワイヤを入れ、ひもが上部にだけ付いているマスク

 ひもが上部にしかなく、下部のワイヤを自由に折り曲げて下あごにフィットさせる形状の不織布マスクが、下呂市の衛生用品メーカー「サンリツ」の協力などで開発された。空気が通る道を確保しやすいため、息苦しくてマスクが苦手な高齢者や障害者らも気軽に着けられる。コロナ禍がなかなか収束せず、当分はマスクを手放せない生活が続くとみられる中、ユニークな一品が注目を集めそうだ。(上田千秋)

 「コロナ禍が始まって間もない頃に高齢者施設へ行くと、マスクをしているお年寄りは二、三割しかいなかった。それも皆つらそうで、何とかできないかと思ったんです」。NPO法人「日本障害者アイデア協会」(山梨県北杜市)の本郷隆之理事長は振り返る。

 同協会は、バリアフリー商品の開発支援やコンサルティングが主業務。本郷理事長は現場を知って仕事に生かそうと、定期的に施設を訪れて介護を実践していた。

 本郷理事長はマスクの下の方に空間を作れればいいのではと考え、試作品を用意。周囲に着けてもらうと、「呼吸が楽」「熱中症対策にもなる」などと好評で、大量生産できないかと思うようになった。

 ただ、通常は上部だけのワイヤを下部にも入れたり、ひもの位置を変えたりするには機械を大幅に改良する必要が生じ、コストがかさむ。複数の業者が二の足を踏む中で、昨年夏に声を掛けたのが「サンリツ」だった。
 同社でもスムーズに事が進んだわけではない。主力商品は綿棒。マスク製造は手掛けたばかりで実績もノウハウもなかった。山崎基晴工場長は「最初は無理だと思った」と打ち明ける。

 それでも試行錯誤を繰り返すうち、新参業者だからこその柔軟な発想が湧いてきた。通常は使わない素材のワイヤを探し出し、自作の器具を利用するなどして機械の改良を最小限にとどめ、商品化できる品質のマスク製造に成功。一日八千~一万枚の生産が可能なほどになった。

 現在は同社のほか、本郷理事長が代表を務めるラハイナーズ合同会社(北杜市)、販売権を持つエルトップ(東京都台東区)で一枚五十円程度で購入でき、大手スーパーでも近く販売が始まる見通しだ。片手で簡単に下部をめくれることから、頻繁に味見をする飲食店関係者の需要が見込めるのに加え、マスク会食の時にも便利に使えそうだ。

 本郷理事長の発想の根底にあるのは「バリアフリーの商品は、高齢者や障害者だけでなく誰にでも使いやすい」という点。「便利だから売れて、製造する企業がもうかる。そこから新しいアイデアが生まれ、広がっていくのが理想。マスクもその一つで、バリアフリーは世の中全体の役に立つということを知ってほしい」と強調した。

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