
「党本部の対応を信じて任せている」。自民の柳本顕元大阪市議(47)が、衆院選大阪3区からの無所属での出馬を一転して見送り、公明現職、佐藤茂樹氏(62)との対決は回避される公算が大きくなっている。自公の選挙協力への影響が必至だっただけに、その曲折は衆院選を直前に控えた政権与党に波紋を広げた。将来を嘱望された大阪自民の「エース」はなぜ出馬を決意し、一転翻意したのか。背景には、個人的な思いにとどまらず、20年以上に及ぶ自公協力のひずみも横たわっている。
8日、柳本氏から関係者に1本の電話が入った。「今日の記者会見は延期します。比例での処遇について話がありました」
柳本氏は7日の時点で、大阪3区から立候補する決意を固め、8日午後に記者会見を開いて正式表明すると説明していたが、当日、急きょ会見を延期した。大阪3区での出馬を見送る代わりに、比例単独候補としての処遇を検討する――。公明との関係を損ねたくない自民党本部から、そのような趣旨の連絡を受けたためだった。
比例で処遇されない可能性を心配する関係者に、柳本氏は言い切った。「党員として党を信じます。こうしたいんです」
柳本氏は大阪市議だった父豊氏の急逝に伴い、1999年に25歳で大阪市議に初当選。5期務める間に市議団幹事長に就くなど、着実に地歩を固めていった。しかし、橋下徹元大阪府知事や松井一郎大阪市長らが2010年4月に地域政党「大阪維新の会」を結成したことで、政治家人生が変転する。
維新は大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」を看板政策として掲げていた。大阪政界を二分する論争が展開され、自民は反対を貫いた。15年の住民投票では自公が反対で足並みをそろえ、僅差で否決された。
しかし、…
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