酒類を提供する飲食店などへの営業時間短縮要請が県内全域に拡大する。新型コロナウイルス感染拡大で苦しい経営が続く飲食店にとってはさらなる打撃となる。感染の急拡大が続く中、飲食店関係者は対策に理解を示す一方、「経営は苦しい」「立ちゆかなくなる」といった声も漏れる。
普段なら会社帰りの客で混み合う福島市のふくしま屋台村こらんしょ横丁。12日夕、営業する屋台は一部のみで閑散としていた。タイ料理の屋台「SAGAT」のオーナー出河伸さん(35)は時短営業の要請が広がることに「この状況だと仕方がない。来てくれる客のためにしっかり感染対策をやっていきたい」と肩を落とした。
前回の時短営業要請が2月に終了し、次第に戻ってきていた客足も大型連休あたりから再び遠のき始めた。「これ以上、人の出入りが減るのは寂しい」。出口の見えない闘いに不安な表情を見せた。
感染者の拡大が続く喜多方市。中心市街地は大型連休明け以降、自主的に休業する飲食店やスナックが相次ぐ。割烹寿司(かっぽうすし)おお多を営む太田克彦さん(61)は「あちこちで知り合いが感染したという話を聞き、恐怖を感じ閉めている店が多い」と打ち明ける。夜に訪れる客はほぼいないが、出前や弁当配達をしているため、店を閉めるわけにもいかない。「出前だけでは経営は苦しいが、まずは感染防止のため時短要請に協力したい」と語った。
時短営業要請の県内全域への拡大で、感染者の増加が比較的緩やかな市町村も対象となる。現在、ピーク時に比べ感染者の増加が落ち着く郡山市。市内で飲食店を経営する望月浩吉さん(63)は「変異株の感染が増えており、これからさらに増加する可能性がある。要請があれば受け入れるしかない」と理解を示す。一方で「補償などをしっかり考えてもらわないと、各飲食店は立ちゆかなくなるのではないか」との不安も吐露した。
白河市で「スナックじゅん子」を経営する同市の瀬谷安男さん(67)は「感染拡大地域だけの時短営業では、遅くまで営業する地域に客が流れ、感染が広がることもある」と指摘する。時短営業の拡大による感染者減には期待しているが、「これまで時短営業をしても結局感染者が減るのは一時的だった。今回も効果があるのかどうか不安だ」と心配した。
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