大混戦から抜け出したのは、偉大な父と同じ牧場で生まれ、同じ厩舎で力をつけた快速馬だった。
レース史上最多となる7頭のGI馬が出走した第51回高松宮記念(3月28日、中京芝1200m、4歳以上GI)で、川田将雅が乗る2番人気のダノンスマッシュ(牡6歳、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎、ケイアイファーム生産)が優勝。昨年の香港スプリントにつづくGI連勝で、父ロードカナロアとの父子制覇を果たした。
すぐさま抜け出したモズスーパーフレア
降りしきる雨が、中京競馬場の芝コースを、時計のかかる重馬場のコンディションにしていた。
ゲートが開き、18頭の出走馬が飛び出した。
ハナに立ったのは、昨年の勝ち馬モズスーパーフレアだった。内目の4番枠から速いスタートを切って1馬身以上抜け出し、単騎で快調に飛ばす。
4年前の覇者セイウンコウセイ、ラウダシオン、ダノンファンタジー、レッドアンシェルらがつづく。
1番人気に支持された浜中俊のレシステンシアは、これら2番手集団から少し遅れた外につけている。16番という外枠からの発走だったため、外を回らされる形にはなったが、そのぶん馬場のいいところを走ることができたのも確かだ。
川田が手綱をとる2番人気のダノンスマッシュは、レシステンシアの直後の中団馬群のなかを進んでいる。川田はこう話す。
「雨が大きなポイントになるところだったので、あえて何も考えず、馬の走りたいように走らせました。結果として、並び的にもちょうどよくなりましたし、目の前にレシステンシアがいて、いいリズムで道中を運ぶことができました」
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