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Friday, March 27, 2020

金沢からかみ 町家で体験 職人協力 来月下旬にも教室 - 中日新聞

金沢からかみのうちわなどを紹介する(左から)山田滋彦さん、福田晃教諭、やまだのりこさん、永嶋明さん=金沢市芳斉で

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金大付属小児童が空き家活用で考案

 金沢市芳斉にある町家の使い道を探ってきた金沢大付属小学校の三、四年生が、町家と手仕事の魅力を味わう体験型観光を考案した。町家のふすまに使われている模様入りの和紙「金沢からかみ」を使った小物作りの体験教室で、四月下旬にも始める。オリジナル商品も売り出す。(押川恵理子)

 三、四年の複式学級の二十四人は昨秋、築九十年の町家を見学した。「これ何」と目に留めた一つが、群青色のふすま。加賀てまりの模様がしゃれた金沢からかみだ。県表具内装協同組合の有志が二〇一一年に研究会をつくり、金沢らしい唐紙として開発した。模様は金沢の町家の出格子をモチーフにした「木虫籠(きむすこ)」など約二十ある。

 金沢からかみは、ふすまなど内装に使ったり、パネルとして飾ったりとさまざまに使えるが、小物の定番商品や販売店はまだない。町家で扇子など小物作りの教室を開き、新商品を取り扱う場を設ける予定だ。

町家の内部を見て回る児童(昨年10月)=金沢市芳斉で

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 児童にとって強力な助っ人が、「現代の名工」に選ばれた表具師の永嶋明さん(70)=金沢市。金沢からかみの生みの親の一人だ。住まいの洋風化などを受け、ふすまやびょうぶ、掛け軸など表具の仕事は需要が激減している。「表具は本物の手仕事。なくしたくない」と体験教室などを受け持つ。

 商品化やPRを支えるのは、芳斉の町家を拠点に訪日外国人向けの体験型観光などを手掛けている企業「こはく」(金沢市)。アイデアの段階から児童に助言してきた山田滋彦社長(38)は「空き家をなくす試みが、伝統技術を守ることにもつながる」と評価する。

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 他にも、大勢の専門家がこれまで児童に協力してきた。市職員は空き家問題の背景を教え、金沢市の建築家やまだのりこさん(44)は町家の価値を伝えた。学級担任の福田晃(こう)教諭(33)は「学校を飛び出し、人とつながることが学びの原動力。大人が子どもと同じ目線に立ち、本気で関わってくれた」と感謝している。

 商品開発の支援金を、インターネットのクラウドファンディングのサイト「Makuake(マクアケ)」=QRコード=で、四月十日まで募っている。

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