2019年の1年間に首都圏(1都3県)で発売された新築マンションの価格がバブル期以来の高値に――。
不動産経済研究所(東京都新宿区)が20年1月22日に発表した市場動向調査によると、首都圏マンションの1戸当たりの平均価格は前年より109万円(1.9%)高い5980万円で、1990年の6123万円以来、29年ぶりの高さになった。マンション価格の高水準はいつまで続くのだろうか。
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マンション価格の動向は?(写真はイメージ)
「好条件の立地」奪い合いが加速
東京23区のマンション平均価格は2.0%アップの7286万円で、1億円を超える「億ション」も前年より66戸増え、1866戸だった。最高額は渋谷区の物件で9億3000万円に上った。
23区以外の東京都内のマンション価格は4.8%アップの5487万円。神奈川県では前年より3.0%下がり5295万円だったが、埼玉県では4.8%上昇し4513万円、千葉県でも2.2%上昇し4399万円で、全般的に上昇傾向となっている。
首都圏のマンション価格が高騰しているのは、都心や主要駅近くなど利便性の高い土地の価格が上がっていることが大きいとされている。ある不動産アナリストは「都心部などではオフィスビルやホテル、外国人向けの高級物件の需要が高まっており、マンション用地を取得するのは非常に難しい状況だ」と話す。好条件の立地の奪い合いが加速しているといい、これに加え、建設業界の人件費の高騰などが価格の上昇にいっそう拍車をかけているようだ。
また、マンションを購入する中心とされる30~40代のファミリー層は夫婦共働きが大半を占めるようになっている。このため職場と家庭が近いことを家選びの重要な条件とする傾向が強まり、都心や駅近の物件を求める意向は年々高くなっているのだ。
販売戸数は減少
「バブル期のように、マンションの需要増が価格の上昇をもたらしているというのではなく、さまざまな構造変化が価格上昇につながっている」と前述のアナリストは話す。実際、販売価格の急騰とは対照的に、2019年の販売戸数は前年比15.9%減の3万1238戸と3年ぶりに減少し、バブル崩壊直後の1992年以来、27年ぶりの低水準になった。バブル期とは明らかに違った環境がマンション市場に影響を及ぼしている。
こうした事情から、不動産業界では「首都圏のマンション価格がこの先、急速に下がる可能性は低く、しばらくは高水準で推移するのではないか」という見方は多い。一方、「都心や駅近の好条件の物件はもはや若いファミリー世代には手の届かない存在になっている」との懸念も高まっている。今後は新築住宅をあきらめ、割安の中古住宅がさらに注目されそうだ。
2020-02-01 12:00:00Z
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