【上海=張勇祥】新型肺炎の感染が世界に広がるなか、春節(旧正月)休暇後の初取引となった3日、中国株と人民元はともに大幅安となった。上海総合指数は春節前より7.7%下落して取引を終え、元の対ドル相場も1ドル=7元台と2019年12月以来の安値をつけた。上海株が一段安とならなかったことで下げ止まりを期待する声もあるが、なお織り込みが済んでいない2つの悪材料が残る。
上海総合指数は春節前の1月23日終値比8.7%安の2716で取引が始まり、その後も安値圏で推移した。中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作(オペ)で1兆2千億元(約18兆7千億円)の資金供給を実施。証券監督当局は証券会社に信用取引を停止するよう求めたもようだが、市場の反応は限られた。
終値は2746だった。始値がこの日の安値だったため「新型肺炎による下げ局面は今年最大の買い場だ」(民生証券の楊柳アナリスト)といった声まであった。シンガポールに上場する中国株先物が下げ止まりつつあることも楽観論が出始めた一因だ。
だが、中国株は一部を除いて値幅制限が上下10%ずつと小さい。3日は中国国際航空や中国東方航空、北京と上海を結ぶ高速鉄道の京滬高速鉄路などが値幅制限の下限に張り付いたまま取引を終えた。値幅制限いっぱいまで下げた銘柄は3000超と上海、深圳上場企業の8割に達し、調整はまだ終わっていない可能性がある。
もう1つは新型肺炎による経済への影響がみえないことだ。中国国家統計局は3日、2019年の工業企業の利益が前年比3.3%減だったと発表した。ただ新型肺炎の影響が反映されるのはこれからだ。
湖北省武漢市でショッピングモールを運営する漢商集団は「主要店舗は軒並み休業状態だ」と発表、同じく武漢市で食品添加物などを手掛ける嘉必優生物技術は「従業員が出勤できない」ため生産に支障が出ているという。今後、同様の発表が相次ぐ見込みで、株式市場の重荷になるのは避けられない。
相対的に海外勢の影響を受けやすい人民元相場の下落も目立つ。中国人民銀行(中央銀行)は3日朝、取引の基準となる為替レート「基準値」を1ドル=6.9249元に設定したが、午後には7.02元まで下落する場面があった。
12月中旬以来の安値水準で、米中貿易交渉の進展による元の値上がりをほぼ帳消しにした。元売りが中国からの資金流出を誘発しかねない状況になれば、通貨当局は元安を防ぐための介入や規制強化に踏み切る可能性も否定できない。
2020-02-03 07:30:16Z
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