かんぽ生命保険の不正販売問題で、金融庁は21日、かんぽ生命と日本郵便に対し、新規の保険販売業務を3カ月間停止する一部業務停止命令を出す方向で検討に入った。保険業法や社内規定に違反した多数の事例が見つかり、経営陣が不正を把握する内部管理体制などに重大な問題があると判断した。週明けに両社の認識を確認したうえで、27日にも公表する。
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9月から約3カ月間実施した立ち入り検査では、虚偽の説明によって保険料の二重払いなど顧客に不利益となる保険契約を結ばせている事案が多数あったことが判明した。金融庁は、不正の背景には顧客軽視で過度なノルマを課す営業体制があり、問題を放置していた上層部の認識の甘さも深刻と見ている。再発防止には、一定期間、新規の保険販売を停止し業務体制の改善に集中させる必要があると判断した。両社は7月からかんぽ商品などの営業を自粛しており、来年1月中の再開を目指していた。
金融庁は両社の経営を監督する親会社の日本郵政についても、昨年4月のNHK番組などで不正販売を知っていたにもかかわらず対応を怠ったと判断。持ち株会社のため業務は停止できないが、業務改善命令を出して厳しく責任を問う方針。
金融庁は週明けに、日本郵政側から不正販売問題に対する認識など追加の報告を受ける予定で、これを踏まえ最終的に処分内容を決める。経営への影響が大き過ぎるとの異論が強まり、業務停止期間を縮める可能性も残る。
日本郵政などの3社長は18日に記者会見を開き、内部調査の結果を公表。保険業法などの法令違反や社内規定に違反した疑いのある契約が1万2836件あり、このうち670件で違反を確認した。【古屋敷尚子】
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2019-12-21 12:10:26Z
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